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反ユダヤ主義と「過去の克服」~戦後ドイツ国民はユダヤ人とどう向き合ったのか~

高橋 秀寿  著

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価格 \4,950(税込)         
発行年月 2023年12月
出版社/提供元
人文書院
言語 日本語
媒体 冊子
ページ数/巻数 332p
大きさ 20cm
ジャンル 和書/人文科学/歴史学/ドイツ・オーストリア・スイス史
ISBN 9784409511008
商品コード 1037771973
NDC分類 234.075
基本件名 ドイツ-歴史-20世紀
本の性格 学術書
新刊案内掲載月 2024年02月1週
商品URLhttps://kw.maruzen.co.jp/ims/itemDetail.html?itmCd=1037771973

著者紹介

高橋 秀寿(著者):【著者】高橋秀寿(たかはし・ひでとし)
1957 年生まれ。立命館大学大学院文学研究科博士課程後期単位取得退学、文学博士。立命館大学文学部特任教授。専門はドイツ現代史・現代社会論。著書に『再帰化する近代――ドイツ現代史試論』(国際書院、1997 年)、『ホロコーストと戦後ドイツ――表象・物語・主体』(岩波書店、2017 年)、『時間/空間の戦後ドイツ史――いかに「ひとつの国民」は形成されたのか』(ミネルヴァ書房、2018 年)、『グローバリゼーションと植民地主義』(共編、人文書院、2009 年)など。

内容

歴史的犯罪に直面する「民衆」

ドイツにおける反ユダヤ主義とホロコーストの過去は、ナチ・エリートや支持者だけのものではなく、当時の全ての人びと、また戦後生まれの人びとでさえも、その歴史的犯罪と向き合わなければならない問題として今日もなお問われ続けている。本書は、その歴史的変遷を辿りながら、戦後、ドイツ人が「ユダヤ人」の存在を通してどのように「国民」を形成したのかを明らかにし、「過去の克服」に新たな視座を与える画期作。


生存したドイツ系ユダヤ人の大部分は家族と民族の血に染まったドイツの地を去っていった一方で、それでもこの地を選択したユダヤ人は「罪悪感」や「疚しさ」を抱いた人びとと「過去」をめぐって軋轢をくり返さざるを得なかった。そのなかで生存ユダヤ人は帰還地をふたたび去るか、その「過去」を沈黙するかの選択を実質的に強いられ、こうして戦後社会はナチスの目的であった「ユダヤ人なき(judenfrei)」ドイツの実現に貢献してしまったのである。
(「おわりに」より)

◎目次
第一章 「過去の克服」と反ユダヤ主義論
 一 「過去の克服」
 二 反ユダヤ主義論
  
第二章 ナチ期・終戦期の反ユダヤ主義とドイツ国民
 一 ナチ期におけるドイツ人の反ユダヤ主義経験
 二 終戦後におけるユダヤ人とドイツ国民
 三 「民族共同体の多数派」の反ユダヤ主義経験

第三章 終戦後の反ユダヤ主義
 一 ユダヤ人DP(難民)と戦後ドイツ国民
 二 DP問題と反ユダヤ主義
 三 賠償問題と反ユダヤ主義

第四章 「過去の克服」の生成と反ユダヤ主義
 一 「過去の克服」の意識化
 二 「過去の克服」の成立
 三 もう一つの「過去の克服」――「六八年」
 四 ヴィリー・ブラントの跪き

第五章 戦後反ユダヤ主義の構造変化
 一 反ユダヤ主義とユダヤ人表象
 二 「過去の克服」と二次的反ユダヤ主義
 三 反ユダヤ主義のコミュニケーション構造

第六章 「現代」の反ユダヤ主義と「過去の克服」
 一 構造変化の諸相
 二 反ユダヤ主義の政治化

目次