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現代イギリス小説の子どもたち~無垢と邪悪を超えて~

越 朋彦  著

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価格 \3,520(税込)         
発行年月 2023年12月
出版社/提供元
研究社
言語 日本語
媒体 冊子
ページ数/巻数 7p,228p
大きさ 20cm
ジャンル 和書/人文科学/文学/イギリス文学
ISBN 9784327481698
商品コード 1037800359
NDC分類 930.27
基本件名 小説(イギリス)
本の性格 学術書
新刊案内掲載月 2024年01月4週
商品URLhttps://kw.maruzen.co.jp/ims/itemDetail.html?itmCd=1037800359

著者紹介

越 朋彦(著者):越 朋彦(こし ともひこ)
1975年生まれ。東京都立大学人文社会学部准教授。上智大学文学部英文学科卒業。英国・レディング大学大学院英文学専攻博士課程修了(Ph.D.)。専門は17世紀イギリス文学、子ども表象、紅茶の文化史など。主な編訳書に『イギリスの新聞を読む――大衆紙から高級紙まで』(編註)、アドリアン・フルティガー『図説 サインとシンボル』(共訳)、マークマン・エリス、リチャード・コールトン、マシュー・メージャー『紅茶の帝国――世界を征服したアジアの葉』(いずれも、研究社)がある。

内容

現代の子ども概念の「揺らぎ」を多角的に読み解く

イギリスでは1970年代以降、家族形態の多様化、福祉削減による貧困の拡大、子どもを巻き込む犯罪事件の増加、新自由主義的教育改革による管理強化などにより、子どもを取り巻く社会は大きく変化した。こうした状況の変化に伴い、チャイルドフッド・ノヴェル(子どもを中心的主題とする小説)の出版点数は増加しているが、その体系的な研究はまだ十分に行われているとは言えない。本書では、それぞれの社会状況の変化に関連したチャイルドフッド・ノヴェルを8篇取り上げ、子どもに関する最新の研究動向を踏まえ、「子ども表象」(子どもの造型)を様々な角度から解き明かす。また、一つの現代的ジャンルとしてのチャイルドフッド・ノヴェルの輪郭を描き出す。

<目次>
序論 本書の目的と概要

第1章 子どもの文化的構築に関わる言説の検討
     ――サラ・モス『夜間の目覚め』(2011年)
第2章 発達論的子ども観の否定
     ――トビー・リット『デッド・キッド・ソングズ』(2001年)
第3章 「ロマン派的子ども像」の解体
     ――イアン・マキューアン『セメント・ガーデン』(1978年)
第4章 「排斥」の論理による子どもらしさの構築
     ――ドリス・レッシング『破壊者ベンの誕生』(1988年)
第5章 多様化した家族形態の中の子ども
     ――ニック・ホーンビィ『アバウト・ア・ボーイ』(1998年)
第6章 公営団地小説における子どもの「エージェンシー」
     ――スティーヴン・ケルマン『ピジョン・イングリッシュ』(2011年)
第7章 子どもを殺す子どもたち
     ――ジョナサン・トリゲル『少年A』(2004年)
第8章 新自由主義的子ども
     ――マーゴ・リヴジー『ジェマ・ハーディの飛翔』(2012年)

結論 「子どもであること」の複数性

あとがき
初出一覧
引用文献一覧
索 引

目次