中世前期説話文学の研究(研究叢書 564)
鈴木 和大 著
内容
目次
はじめに 第一部 『宇治拾遺物語』の研究 第一章 『宇治拾遺物語』の序文―研究史概観― 一 はじめに 二 序文をめぐる研究史 三 序文の内容 四 序の解釈をめぐって―まとめに代えて― 第二章 『宇治拾遺物語』の伝承圏―第七九話を例として― 一 はじめに 二 僧の肉食説話をめぐって 三 氷魚と氷魚使―本話の伝承経路と伝承圏― 四 「所」の性質―まとめに代えて― 第三章 和歌と樵夫―第四〇話の「場」― 一 はじめに 二 樵夫と山守 三 素材としての樵夫 四 第四〇話の場―まとめに代えて― 《別表 樵夫歌一覧表》 第四章 藤六と樵夫―第一四七話の和歌をめぐって― 一 はじめに 二 『藤六集』について 三 藤原輔相について 四 藤六か樵夫か―第一四七話および該歌の解釈― 五 曽丹と藤六の重なり―まとめに代えて― 第五章 大太郎と袴垂―第三三話の表現と特質― 一 はじめに 二 大太郎説話と袴垂説話―冒頭部以降の類似表現― 三 三回繰り返しと「あまたたび」―表現の位相― 四 語りの信憑性と「獄」という場 五 おわりに―『宇治拾遺物語』の表現― 附 章 源隆国と平等院―『教訓抄』巻第九より― 一 はじめに 二 本文上の問題―源隆国について― 三 太鼓の日形をめぐって 四 隆国の見た夢―龍宮と高陽院― 五 「治暦之比」の背景―平等院一切経会をめぐって― 六 おわりに―本話の淵源― 第二部 『古事談』の研究 第一章 『古事談』と『富家語』の関係―説話化の方法と研究史― 一 はじめに 二 『富家語』との比較 三 『古事談』の方法 四 異同から見えてくるもの―まとめに代えて― 第二章 『古事談』と『今鏡』の関係―直接関係説の否定― 一 はじめに 二 直接関係説の再検討(一) 三 直接関係説の再検討(二) 四 直接関係説の再検討(三) 五 『古事談』の文体 六 『今鏡』の素材 七 おわりに 第三章 『古事談』と『江談抄』の関係 一 はじめに 二 顕兼の用いた『江談抄』 三 『江談抄』以外の資料 四 『古事談』と神田本『江談抄』 五 おわりに 附 『宇治拾遺物語』との関係について 第四章 智海と永心―『宇治拾遺物語』、『古事談』と『発心集』との交錯― 一 はじめに―智海について― 二 『宇治拾遺物語』と『古事談』 三 『発心集』の永心説話 四 智海と永心 五 おわりに 第五章 小式部内侍と定頼―『古事談』第二第七七話をめぐって― 一 はじめに 二 好色女房と小式部内侍―『古事談』と『宇治拾遺物語』の視点― 三 定頼と頼宗―両者の音楽的側面― 四 説話配列と伝承圏 五 おわりに 附 章 『古事談』同話比較簡易対照表 一 はじめに 二 『古事談』と『今鏡』の比較 三 『古事談』と『江談抄』の比較 四 『古事談』と『中外抄』の比較 五 『古事談』と『富家語』の比較 おわりに―今後の課題と展望― あとがき 索引(人名索引・書名索引)