文化財の不正取引と抵触法
加藤 紫帆 著
著者紹介
内容
目次
『文化財の不正取引と抵触法』 加藤紫帆(東京大学社会科学研究所准教授)著 【目 次】 ・はしがき ◇ 問題の所在 ◆第I部◆ 文化財の不正流通規制 ◆第1章 各国国内法 第1節 発掘に関する規制 一 国有財産とする法制度 1 エジプト/2 ペルー/3 メキシコ/4 トルコ/5 イタリア 二 私的所有を原則とする法制度―我が国を例として 第2節 譲渡に関する規制 一 私法上の譲渡規制を行う法制度 1 国有財産に関する規制/2 私有財産に関する規制 二 私法上の自由処分を尊重する法制度―我が国を例として 第3節 輸出に関する規制 一 輸出規制を行う法制度 1 自動的没収/2 行政官庁による手続を経た没収 二 輸出規制を行わない法制度―我が国を例として 第4節 小 括 ◆第2章 国際的な枠組み 第1節 国際レベルでの枠組み 一 ユネスコ条約(1970年) 1 条約の成立に至る経緯/2 条約の構造/3 国内執行状況/4 学説上の議論/5 小括 二 ユニドロワ条約(1995年) 1 条約の成立に至る経緯/2 条約の構造/3 評価/4 小括 三 ユネスコ及びユニドロワのモデル条項(2011年) 1 モデル条項の作成に至る経緯/2 モデル条項の内容/3 学説上の若干の議論―小括として 第2節 EUにおける枠組み 一 背景 二 EU規則 三 EU指令 1 中心的な規定/2 2014年改正/3 小括 第3節 小 括 ◇ 第I部の議論の位置づけ(第I部小括) 1 第I部における議論の整理/2 学説上の議論 ◆第Ⅱ部◆ 抵 触 法 ◆第3章 各国の裁判例・立法・学説 第1節 返還請求が問題となる場合 一 返還請求一般に関する問題 1 裁判例/2 抵触法規則・学説 二 外国国家等による返還請求に固有の問題 1 裁判例/2 学説 第2節 返還請求以外の請求が問題となる場合 一 裁判例 二 抵触法規則・学説 1 抵触法規則/2 学説 三 小 括 第3節 小 括 ◆第4章 検 討 第1節 グローバル・ガバナンスのための抵触法 一 抵触法の新たな機能を巡る議論 1 Robert Waiの見解/2 Alex Millsの見解/3 Horatia Muir Wattの見解/4 Ralf Michaelsの見解/5 小 括 二 考 察 1 グローバル・ガバナンスのための抵触法/2 普遍主義的観点の位置付け/3 抵触法における実質法的価値・政策の位置付け/4 小 括 第2節 文化財の不正取引に対する抵触法的対応 一 抵触法における文化財の位置付け 1 文化財の特徴/2 抵触法上の取り扱い/3 小 括 二 抵触法における具体的処理方法―我が国法秩序を例として 1 文化財の返還請求における法適用/2 外国国家等による返還請求の許容性/3 外国の文化財不正流通規制の効力 第3節 小 括 ◇ 結 語