KNOWLEDGE WORKER ナレッジワーカー



丸善のおすすめ度

シャンソン・フランセーズの諸相と魅力~民衆文化の花束~

吉田正明, 本間千尋, 村田京子, 中村啓佑, 金山富美, 三木原浩史, 岡本夢子, 樋口騰迪, 高岡優希, 中祢勝美, 戸板律子  著

在庫状況 有り  お届け予定日 3~4日 
価格 \6,930(税込)         
発行年月 2024年02月
出版社/提供元
大阪大学出版会
言語 日本語
媒体 冊子
ページ数/巻数 7p,324p
大きさ 22cm
ジャンル 和書/人文科学/芸術/音楽
ISBN 9784872597905
商品コード 1038220891
NDC分類 767.8
基本件名 シャンソン
本の性格 学術書
新刊案内掲載月 2024年04月2週
商品URLhttps://kw.maruzen.co.jp/ims/itemDetail.html?itmCd=1038220891

著者紹介

吉田正明(著者):信州大学名誉教授。
研究テーマ:19世紀フランス詩、シャンソン文化史。
本間千尋(著者):東京藝術大学音楽学部教育研究助手。学術博士(東京藝術大学)。
研究テーマ:18世紀末から19世紀前半におけるパリのシャンソン文化。
村田京子(著者):大阪府立大学名誉教授。文学博士(パリ第7 大学)。
研究テーマ:19世紀フランス文学、ジェンダー論。
中村啓佑(著者):追手門学院大学名誉教授。
研究テーマ:フランス民衆のスペクタクル。
金山富美(著者):島根大学学術研究院人文社会科学系教授。
研究テーマ:フランス女性研究、フランス文化論。
三木原浩史(著者):神戸大学名誉教授。
研究テーマ:シャンソン・フランセーズの歌詞分析、ロマン・ロランの作品論。
岡本夢子(著者):滋賀県立大学人間文化学国際コミュニケーション学科講師。言語学文学翻訳学博士(リ
エージュ大学)。
研究テーマ:シャ・ノワール。
樋口騰迪(著者):大阪大学博士後期課程単位取得満期退学。
研究テーマ:シャンソンの成立をめぐる比較音楽学的考察、キリスト教と音楽思想。
高岡優希(著者):大阪大学等非常勤講師。言語文化学博士(大阪大学)。
研究テーマ:シャンソン・フランセーズ研究、フランス語教育。
中祢勝美(著者):天理大学国際学部准教授。
研究テーマ:ドイツ文学、ドイツ地域研究・独仏関係史。
戸板律子(著者):広島大学等非常勤講師。
研究テーマ:シャンソン・フランセーズ研究。

内容

 日本においては、シャンソンの学術研究はいまだ立ち遅れていると言わざるを得ない。宝塚歌劇団のレビューやフランス映画の主題歌や挿入歌、あるいはラジオやレコードなどを通して日本に紹介されて以来、シャンソン・フランセーズは日本独自の音楽ジャンルとして発展し変容をとげたため、本来それが有していた歴史性や多様性を失い、フランスへの憧憬とともに、日本語に翻訳された歌詞(しばしば日本人の感性に合わせて大幅に書き換えられている場合もある)でうたう多くのシャンソン歌手や愛好家を生み出してはきたものの、サブカルチャーとしての側面がより際立つ結果となり、学術研究の対象とはなり得なかったからである。それゆえ20世紀以降のフランスの歌手や歌詞を紹介した書籍や雑誌などは多々見うけられるが、いずれも学術研究の水準に達しているとは言い難い。
 このような状況のもと、日本におけるシャンソンの学術研究の基礎を築き発展を目指して2002年に立ち上げられたのが「シャンソン研究会」である。フランスにおけるシャンソン文化の歴史と内実を様々な角度から考察し、フランス文化史のなかに正当に位置づけ、かつ、それがどのような役割を果たしてきたのかを学際的に明らかにするため、これまでフランス文学、フランス語学、西洋史学、美学、音楽学など多彩な分野の研究者や専門家を本研究会に迎え入れてきた。
 研究会設立20周年を機に、これまでの会員の優れた論考をまとめ、日本におけるシャンソンの学術研究の発展に寄与するため、日本学術振興会の研究成果公開促進費を獲得して出版されたのが本著である。ここに収められた論考は、19世紀から今日までのシャンソン・フランセーズをめぐる様々な視点からのアプローチであり、いずれも日本においてはほとんど扱われていない先駆的研究の数々である。本書は全部で11章からなっており、一定の形式上の統一を図った上で、文体については論者個々の判断に任せた。それがかえって個性豊かな論考となり、多彩なテーマとともに単調さを防ぎ読む楽しみを増しているとも言えよう。本書を通して読者諸氏が、民衆文化の花束たるシャンソン・フランセーズの魅力とその実相の一端に触れられんことを切に願うものである。
(文責編者)

目次