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宇宙はいかに始まったのか~ナノヘルツ重力波と宇宙誕生の物理学~(ブルーバックス B-2263)

浅田 秀樹  著

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価格 \1,100(税込)         
発行年月 2024年06月
出版社/提供元
講談社
言語 日本語
媒体 冊子
ページ数/巻数 246p
大きさ 18cm
ジャンル 和書/理工学/天文学/恒星
ISBN 9784065359044
商品コード 1038611091
NDC分類 443.9
基本件名 宇宙論
本の性格 学生用
新刊案内掲載月 2024年07月4週
商品URLhttps://kw.maruzen.co.jp/ims/itemDetail.html?itmCd=1038611091

著者紹介

浅田 秀樹(著者):1968年京都府生まれ。弘前大学大学院・宇宙物理学研究センター センター長・教授。京都大学理学部卒業。大阪大学大学院理学研究科博士後期課程修了。博士(理学)。2003年、パリ天体物理学研究所にて主に重力波に関する在外研究。専門分野は一般相対性理論、重力理論、理論宇宙物理学。2023年、米国物理学会の卓越した査読者に選出。著書に『三体問題 天才たちを悩ませた400年の未解決問題』(ブルーバックス)。

内容

謎の「ナノヘルツ重力波」は、宇宙誕生の痕跡なのか!?

2023年、世界に衝撃を与えた国際研究チーム「ナノグラブ」の報告。
それはある重力波の存在を捉えたというものでした。
発見された重力波は、ナノヘルツ(ナノ=10のマイナス9乗)、つまり数年もの非常に長い周期の超長波長の重力波でした。

この観測プロジェクトで使われた手法は「パルサー・タイミング法」というものです。
電波星ともいわれる「パルサー」から送られてくる電波を観測することで、宇宙の空間の歪みを検出するという手法が、この「パルサー・タイミング法」です。

では、このナノヘルツ(超長波長の)重力波はどこで生まれたのか?

・宇宙のはじまり、ビッグバンより前に起きたとされる「インフレーション」によって空間が引き延ばされたさいの痕跡「原始背景重力波」。

・銀河の中心「活動銀河核」に存在する太陽質量の数万倍といわれる「超巨大なブラックホール」が合体した。
といった候補が考えられています。

これまで謎とされていた「宇宙のはじまりの姿」。
その痕跡を見ることが人類にとって現実のものとなりはじめました。

本書では、その背景にある宇宙論を、重力とは何か? アインシュタイン方程式とは? そして宇宙のはじまりはどのように考えられてるのか? 
ひとつずつ段階を踏みながら解説し、「ナノグラブ」によって行われた「パルサー」を用いた宇宙空間の精密観測「パルサータイミング法」と今後の観測計画。そして15年以上にもわたる「パルサー・タイミング・アレイ」による観測の結果から、この謎の超長波長の重力波「ナノヘルツ重力波」の正体に迫っていきます。

宇宙の誕生に迫る宇宙論と観測の最前線をていねいに解説します!

序章 ナノヘルツ重力波の衝撃
 謎の重力波とパルサー・タイミング・アレイ
1章 重力とはなにか……空間そして時間の歪み 
 コラムメジャーリーグ投手の放つ重力波 
2章 重力波望遠鏡……宇宙を見る新しい目 
3章 連星パルサーの謎……電波天文学と中性子星
 コラム 重力波に縦波成分は存在するのか? 
4章 宇宙誕生の痕跡とは……インフレーション理論と原始背景重力波
5章 巨大ブラックホールの謎……宇宙の歴史を探る
 コラム 「特異点定理」の数理
6章 超波長重力波を捉えるには……パルサータイミング法と宇宙の謎
7章 もう一つの重力波観測……位置天文学で見える宇宙
8章 宇宙のはじまりを見る……超長波重力波の正体と未来の宇宙観測

目次