著者紹介
山田順子(著者):時代考証家。 1953年広島県生まれ。専修大学文学部人文学科卒業。 CMディレクター、放送作家を経て時代考証家となる。 1982年から『クイズ面白ゼミナール』(NHK)の歴史クイズの出題・構成を担当。大人気ドラマ『JIN-仁-』『天皇の料理番』『この世界の片隅に』など、江戸時代から昭和まで、幅広い時代の時代考証や所作指導を担当。 また、連載漫画、丸亀製麺などのCM、江戸東京博物館のイベントの時代考証など幅広く活躍。自らも歴史情報番組『尾上松也の謎解き歴史ミステリー』などのテレビやラジオに出演、講演会などでも歴史解説を行う。著書は『江戸グルメ誕生』(講談社)、『お江戸八百八町三百六十五日』『海賊がつくった日本史』(ともに実業之日本社)、『絵解き「江戸名所百人美女」江戸美人の粋な暮らし』(淡交社)、『時代考証家のきもの指南』(徳間書店)など多数。2025年大河ドラマ『べらぼう?蔦重栄華乃夢噺?』吉原風俗考証を担当。
内容
NHK大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢 噺(つたじゅうえいがのゆめ ばなし)~」の主人公である蔦屋重三郎が生まれ育った、江戸時代の吉原界隈の地理や慣習、事件を、同ドラマの吉原風俗考証の著者が詳細に解説。“江戸のメディア王”として時代の寵児になった快男児・蔦屋重三郎が生きた世界とは? 蔦屋重三郎が編纂した「吉原細見」の中身を徹底解説。
吉原の文化、しきたり、風習、地理など大河ドラマ「べらぼう」をより楽しく観るためのサブテキストとしても使える一冊。
江戸の出来事、蔦屋重三郎年譜と吉原事件年表、安永4年の吉原全図も収録
【本書の内容】
蔦屋重三郎が生きた吉原
吉原噺 壱
蔦屋重三郎が案内する吉原のあそび方
三者三様の吉原あそび
お大尽の巻
勤番侍の巻
熊さん八っつぁんの巻
吉原噺 弐
吉原とは何か
一、吉原は「廓」という江戸の公の施設
考証の栞 遊ぶところの廓で「遊廓」
考証の栞 江戸では「女郎」という言葉が一般的だった⁉
二、新吉原への行き方
考証の栞 日本堤という名前の理由
三、吉原の町並と町名
四、吉原の掟
吉原噺 参
「吉原細見」の中身
一、年二回改訂発行の吉原ガイドブック
二、吉原細見には何が載っていたのか
三、細見を元に吉原地図を作る
吉原噺 肆
吉原の内部を探索
一、五十間道
考証の栞 吉原名物つるべ蕎麦
二、大門
考証の栞 大門の木札
考証の栞 大門の旗と提灯
三、仲の町と引手茶屋
考証の栞 消滅した揚屋
四、女郎屋
考証の栞 河岸見世の名前
五、女郎屋の内部
考証の栞 女郎のランクがわかる「籬」
四、宴会料理のきのじや
五、吉原の一日
吉原噺 伍
吉原女郎白書
一、「アリンス国」の廓言葉
二、女郎の出世 年季奉公から年季明けまで
考証の栞 花魁の語源は?
三、女郎の装い
考証の栞 江戸のファッション雑誌
四、遊女の一日
考証の栞 花魁道中の並び順
五、女郎の手紙から見る、手練手管
考証の栞 吉原の紙事情~天紅と紙花
吉原噺 陸
吉原の風景~吉原歳時記
一、弥生の桜~吉原の桜は植樹だった⁉
二、吉原のお盆行事「玉菊燈籠」
三、吉原の芝居芸能 俄(仁和賀)
考証の栞 俄を主導した見世
四、師走から正月の吉原
付章 江戸の出来事、蔦屋重三郎年譜と吉原事件年表