KNOWLEDGE WORKER ナレッジワーカー



丸善のおすすめ度

終わらぬ歴史ホロコースト

ダン・ストーン  著

大山晶  翻訳
武井彩佳  他
在庫状況 有り  お届け予定日 3~4日 
価格 \4,840(税込)         
発行年月 2025年02月
出版社/提供元
みすず書房
言語 日本語
媒体 冊子
ページ数/巻数 316p,51p
大きさ 20cm
ジャンル 和書/人文科学/歴史学/考古学・古代史
ISBN 9784622097570
商品コード 1039936052
NDC分類 209.74
基本件名 ホロコースト(1939〜1945)
本の性格 学術書
新刊案内掲載月 2025年03月4週
商品URLhttps://kw.maruzen.co.jp/ims/itemDetail.html?itmCd=1039936052

著者紹介

ダン・ストーン(著者):ロンドン大学ロイヤル・ホロウェイ校歴史学部教授。同大学ホロコースト研究所所長。ホロコーストの歴史以外にも、比較ジェノサイド論、ファシズム、「人種」概念の歴史、それに歴史理論などに関心を寄せている思想史家である。Patterns of Prejudice、Journal of Genocide Research、Critical Philosophy of Race、The Journal of Holocaust Research、Hypothesis and History of Communism in Europe各誌の編集委員、帝国戦争博物館のホロコースト・ギャラリー再編成のための学術諮問委員会議長を務める。邦訳は、Histories of the Holocaust (2010) が『ホロコースト・スタディーズ――最新研究への手引き』(武井彩佳訳、白水社、2012年)として、また上村忠男編訳により『野蛮のハーモニー――ホロコースト史学論集』(みすず書房、2019年)が刊行されている。
大山晶(翻訳):(おおやま・あきら)
1961年生まれ。大阪外国語大学外国語学部ロシア語科卒業、翻訳家。おもな訳書に『ナチスの戦争 1918-1949』『ナチの妻たち 第三帝国のファーストレディー』(以上、中央公論新社)、『アインシュタインとヒトラーの科学者』、『ヒトラーとシュタウフェンベルク家』、『世界を変えた100の本の歴史図鑑』、『産業革命歴史図鑑』(以上、原書房)などがある。
*ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。
武井彩佳(他):(たけい・あやか)
早稲田大学第一文学部史学科卒業。同大学より文学博士取得。専門はドイツ現代史、ユダヤ史、ホロコースト研究。学習院女子大学国際文化交流学部教授。著書に『戦後ドイツのユダヤ人』(白水社、2005年)、『ユダヤ人財産はだれのものか――ホロコーストからパレスチナ問題へ』(白水社、2008年)、『〈和解〉のリアルポリティクス――ドイツ人とユダヤ人』(みすず書房、2017年)、『歴史修正主義――ヒトラー賛美、ホロコースト否定論から法規制まで』(中公新書、2021年)、訳書にダン・ストーン著『ホロコースト・スタディーズ――最新研究への手引き』(白水社、2012年)、監訳書にウェンディ・ロワー著『ヒトラーの娘たち――ホロコーストに加担したドイツ女性』(明石書店、2016年)がある。
*ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。

内容

ホロコーストを重要史実と位置づけ記憶の継承をめざす「ホロコースト意識」は、段階的に発展してきた。戦後数十年間の無関心、1980年代から活性化した教育、90年代に爆発的に高まった関心。今ではホロコーストがテーマの小説や映画が毎年のように作られている。しかしそれは陳腐化(工場での大量生産のような虐殺というイメージ、アウシュヴィッツとの同一視、生存者の感動物語)や悪用(ホロコースト否定論、ヒトラー礼賛)にも結びついた。
関心の高まりだけでなくその反動にも目を向け、ホロコースト意識を歴史研究の成果に接続することが必要だ。本書はこうした問題意識にヒストリオグラフィー(歴史学の歴史)の世界的研究者が応えたものであり、領域横断的な最新研究を統合してホロコーストを描き直している。
ホロコーストは本当のところ、どうして起きたのか。私たちはなぜそれを矮小化してしまうのか。ヨーロッパ各国の協力は、実際どのくらいの規模だったのか。ホロコーストに教訓はあるのか。
ホロコーストの歴史は収容所の解放で終わらない。ナチ礼賛の極右が台頭し、「ヒトラーは良いこともした」と言われ、ユダヤ人国家がガザでの虐殺を非難される現在と、それは連続している。「ヒトラーは否定されたのではなく、打ち負かされたのだ」。終戦時に放たれたこの言葉が、今ほど深刻に響く時はない。解説・武井彩佳。

目次