刊行開始から25年.ナチュラルヒストリーシリーズ全50巻完結!
大学,博物館,植物園とナチュラルヒストリーのさまざまな研究・教育・普及の現場での豊富な経験をふまえて,生物多様性,生命系などをキーワードに「生きているとはどういうことか」を問いなおす。
東京大学出版会
ISBN : 978-4-13-060256-3
2018年12月刊
A5判/384頁
ナチュラルヒストリー(natural history)は,古くは「博物学」と訳された時代もあったが,現在では「自然史」または「自然誌」と訳される.それは,自然界に存在する(あるいはかつて存在した)動物,植物,化石,岩石,鉱物また広くは天体,気象,地理などを総合的に研究する自然科学の一分野である.その起源はギリシア・ローマ時代にまでさかのぼるといわれ,西洋ではアリストテレスの『動物誌』,プリニウスの『博物誌』などに,東洋では本草学にそれぞれ始まり,自然を研究する学問の中心として長い歴史を歩んできた.しかし,19世紀に入って近代科学が誕生し,動物学,植物学,人類学,地質学などの各分野で学問が専門化するにつれて,しだいに細分化への道をたどり始めた.ところが現代において,先端科学から基礎科学までを総合することなしにはとらえきれない問題──たとえば生物学における「進化」──がいくつもあることが認識されるようになり,自然と人間のかかわりを考える総合科学としてのナチュラルヒストリーの重要性があらためて注目され始めた. このような背景をふまえて,学術性が高いナチュラルヒストリーの研究成果をひとつずつきっちりとまとめ,自然科学の重要な基礎分野としてのナチュラルヒストリーへの理解を深めるとともに,現代の日本のナチュラルヒストリー研究の集大成となることを目指し,さらには若いナチュラルヒストリー研究者(ナチュラリスト)を育てることを意図してこのシリーズは企画された.なお,ここであえてナチュラルヒストリーを訳さずそのまま用いるのは,おもに次の2つの理由による.第1は,先述のようにナチュラルヒストリーにはおもに「自然史」と「自然誌」の2つの訳語があるが,本シリーズでは立場にとらわれず,できるだけ広い意味でナチュラルヒストリーをとらえたいと考えたことである.第2は,他社に「自然史」あるいは「自然誌」とつくシリーズがいくつかあったので,それらとの混同を避け,総合科学としてのナチュラルヒストリーの第2の出発点ともいえる現代において,新しいイメージを読者に伝えたいためである.
品切
著:渡邊 定元ISBN:978-4-13-060156-6/1994年2月刊行/A5・464頁
森林はもっとも高度に発達し多様性に富んだ陸上生態系である.本書は森林生態系の主役である樹木の営みを通して樹木社会として森林をとらえ,そのダイナミックな姿を浮き彫りにする.永年にわたり森林を見つめてきた著者が描き上げる森林と樹木の壮大な自然史.
著:馬渡 峻輔ISBN:978-4-13-060157-3/1994年3月刊行/A5・248頁
分類学は生物界の多様性を読み解くかぎである.はたして分類学はどのような論理に基づいて生物をわけ,またまとめているのだろうか.誰もが知りたがっていた「分類することの論理」について,気鋭の分類学者が明快に語る.
著:矢原 徹一ISBN:978-4-13-060160-3/1995年5月刊行/A5・328頁
野生生物の世界は魅力にみちあふれている.その世界に生きるひとりの植物学者が,フィールドワークと理論をたくみに駆使して,野生植物の性をめぐるさまざまな謎をダイナミックに解いていくプロセスを,研究の現場の息づかいとともにいきいきと語る.
僅少
著:周 達生ISBN:978-4-13-060161-0/1995年9月刊行/A5・240頁
セミ捕りやトンボ捕りからブタオザルのヤシの実採りやカワウソ漁にいたるまで,中国をはじめとするアジア各地での精力的なフィールドワークにもとづいて描き上げた,ヒトと動物たちをめぐるナチュラルヒストリーへの民族学的アプローチ.
著:松井 正文ISBN:978-4-13-060163-4/1996年2月刊行/A5・312頁
両生類は脊椎動物のなかで最初に陸上に進出した動物群である.脊椎動物の歴史を知るうえできわめて重要な位置を占める両生類の自然史を,その系統や進化にスポットをあてながら描き上げる.日本で初めての意欲的な両生類学の教科書.
著:土肥 昭夫/ 岩本 俊孝/ 三浦 慎悟ISBN:978-4-13-060167-2/1997年1月刊行/A5・272頁
フィールドに動物たちを追い続ける気鋭の生態学者たちが描き上げた躍動感あふれる野生動物の世界--食肉類,有蹄類,霊長類などを対象としたさまざまな研究をとおして哺乳類の行動と生態をさぐる.哺乳類学を学ぶために必読の基本書.
著:三中 信宏ISBN:978-4-13-060172-6/1997年12月刊行/A5・480頁
生物がたどってきた進化史の復元--より精度の高い系統樹を求めて,分子レベルから形態レベルまであらゆるデータをとりこんで繰り広げられる現代の系統学.これまでの系統学の歴史をたどりながら,分岐学に基づき展開される系統推定論の世界をみる.
著:和田 一雄/ 伊藤 徹魯ISBN:978-4-13-060173-3/1999年1月刊行/A5・296頁
水生生活に適応した哺乳類――鰭脚類.かれらは水中で餌を食べ陸上で出産するという,矛盾した二つの面を抱えながらたくみに生きてきた.その生きざまを追い続けた二人の哺乳類学者が,進化,生態,さらにヒトとのかかわりなどの視点から,かれらの自然史を描き上げる.
著:加藤 雅啓ISBN:978-4-13-060174-0/1999年5月刊行/A5・256頁
植物のかたちはどのように進化したのか―個体発生の過程でデザインされ,環境にみごとに適応した植物の形態がたどってきた進化の道すじを生物学のさまざまな分野から解き明かす.
著:糸魚川 淳二ISBN:978-4-13-060175-7/1999年6月刊行/A5・240頁
自然史をテーマにした研究・教育・情報センターとしての博物館.そこに求められる新しいパラダイムとはなにか.「人と自然」「分化から総合へ」「地域から地球へ」などをキーワードに自然史博物館のパースペクティブを語る.
著:菊池 多賀夫ISBN:978-4-13-060176-4/2001年7月刊行/A5・232頁
平野,河川,谷地,尾根….さまざまな地形が植物の生活史をつくり,さらに植生の多様性を生み出す.人里から高山まで,精力的なフィールドワークと丹念な地形図の読解をもとに壮大なスケールで描き上げた地形と植生の自然史.
著:前田 喜四雄ISBN:978-4-13-060177-1/2001年8月刊行/A5・216頁
北海道から南西諸島まで――ひたすらコウモリを探して,日本列島をおよそ30年にわたり精力的に訪ね歩いた研究者がいた.フィールドでの観察,発見,苦悩,そして感動…….自然史研究の魅力と新しいテーマを満載した野生動物研究誌.
著:疋田 努ISBN:978-4-13-060179-5/2002年4月刊行/A5・248頁
水の世界からの旅立.先に上陸した両生類とは異なり,完全に水から解放された爬虫類は,さらに大空をめざして鳥類への道を歩み始めた.トカゲ,ヘビ,カメ,ワニ…….多様な爬虫類の自然史を気鋭のトカゲ学者がさまざまな視点から描写.巻末に日本産爬虫類のリストを付す.
著:直海 俊一郎ISBN:978-4-13-060180-1/2002年5月刊行/A5・360頁
プラトンやアリストテレスの時代から,地球上の多様な生きものたちの世界の体系化を試みてきた生物体系学.その構造・論理・歴史を分類学,分布学,系統学,歴史生物地理学,狭義体系学の5つの視座から丹念に読み解き,新たな生物体系学の構築をめざす意欲作.
著:平嶋 義宏ISBN:978-4-13-060181-8/2002年10月刊行/A5・272頁
学名はいくつもの情報を担った国際的な生物の名前である.身近な生物の学名や偉大な生物学者リンネがつけた学名をとおしてラテン語やギリシア語の基礎を学び,命名規約により,学名についてのルールを知る.学名研究の第一人者が書き下ろした,生物学に携わる人たち必読の参考書.巻末に詳細な学名索引を付す.
著:遠藤 秀紀ISBN:978-4-13-060182-5/2002年12月刊行/A5・400頁
地球史を飾る動物たち――2億年前の萌芽から長い繁栄を経てダイナミックに展開される哺乳類の系譜.進化史の成功者であるかれらの〈歴史性〉に,形態学,古生物学,遺伝学,生態学などさまざまなデータを駆使してナチュラルヒストリーが挑む.
著:倉谷 滋ISBN:978-4-13-060183-2/2004年1月刊行/A5・632頁
脊椎動物のかたちの進化.「バウプラン」「発生拘束」「相同性」などの概念を読み解きながら,進化発生学の視点から,この深遠なテーマに迫る.形態学,発生学,分類学の統合により展開される新しいナチュラルヒストリー.
著:岩槻 邦男ISBN:978-4-13-060184-9/2004年6月刊行/A5・264頁
植物園とはなにか――東京大学植物園長として植物園のあるべき姿を考え,国際植物園連合総裁として国際的な視点から日本の植物園をみつめてきたひとりの植物学者が,植物園の歴史をたどりながら,その現代的な意義を論じ,さらに長期的な将来構想を提示する.日本や世界の植物園を写真入りで多数紹介.
著:野中 健一ISBN:978-4-13-060185-6/2005年11月刊行/A5・216頁
人間はなぜ昆虫を食べるのか――アフリカ,東南アジア,日本をフィールドに,人間はどのようにして自然と出会い,そして自然を取り込んでいくのかという大胆なテーマに迫る.これまでの人類学や生物学などの枠組みを越えた人間と自然の関係学.
著:高槻 成紀ISBN:978-4-13-060187-0/2006年6月刊行/A5・496頁
日本列島に生きるシカたち――動物生態学と植物生態学という2つの座標軸から、その生態をいきいきと描き上げる。およそ30年にわたるフィールドワークにもとづいて語られるかれらの生きざまは、私たちと野生動物の未来に重要なヒントを与えてくれるだろう。
著:金子 之史ISBN:978-4-13-060188-7/2006年12月刊行/A5・320頁
身近な野生動物――ネズミ.生物地理学の視点で始まったその研究は,日本からやがてアジア大陸へ,そしてヨーロッパへと広がっていった.ネズミの分類学的研究の集大成として,さらに自然史研究のひとつのモデルとして,野生動物に関心をもつすべての人たちへ贈るモノグラフ!
著:矢島 道子ISBN:978-4-13-060751-3/2008年10月刊行/A5・240頁
化石とはなにか――それぞれの時代を生きた人々が化石をどのように認識していたのかを丹念に跡づける.進化論のダーウィン,弄石家の木内石亭,天才レオナルド・ダ・ヴィンチ,そして哲学者アリストテレス……現代から古代まで,時代をさかのぼりながら,化石をめぐる物語を読み解こう.
著:安藤 元一ISBN:978-4-13-060189-4/2008年11月刊行/A5・248頁
身近な水辺の動物であったニホンカワウソ.かれらはなぜ絶滅しなくてはならなかったのか.ニホンカワウソの調査に実際に携わったひとりの研究者が,その絶滅の過程を丹念にたどりながら,野生動物と人間の新たな関係について問い直す.
著:大路 樹生ISBN:978-4-13-062715-3/2009年8月刊行/A5・164頁
数十億年というタイムスケールで生物の進化や生態を追う古生物学は「長時間軸の生物学」ともいわれる.その魅力をフィールドワークや研究史上の興味深いエピソードをまじえながら,大学教養課程の学生にも理解できるようにわかりやすく解説する.
著:石田 おさむISBN:978-4-13-060191-7/2010年7月刊行/A5・264頁
これからの動物園――動物園の軌跡をふまえ,環境エンリッチメントや希少種の保全など,新たな試みを紹介しながら,展示・飼育・教育・普及・研究などの動物園の役割を体系的に解説した新しい動物園学のテキスト.動物園からヒトと動物の関係を学ぶ.
著:田村 典子ISBN:978-4-13-060192-4/2011年9月刊行/A5・224頁
太古の昔から森に生き続けてきたリスは驚くべき〈知恵〉にあふれている.行動生態,進化生態,保全生態など動物生態学の主要なテーマにリスをとおしてアプローチ.クリハラリスをはじめとする外来生物問題にもふれながら,いつまでもリスが変わらず暮らせる森が維持されることを願って書き下ろされた野生動物記.
著:佐々木 猛智ISBN:978-4-13-060190-0/2010年8月刊行/A5・400頁
軟体動物の多様な世界――二枚貝,巻貝,イカ・タコ,さらにアンモナイトまで,気鋭の研究者が貝類をはじめとする軟体動物の多様な世界を体系化.化石種から現生種まで,さまざまな種類を対象に分類,形態,保全などについて詳述する.著者撮影の精緻な写真を多数掲載.
著:村山 司ISBN:978-4-13-060193-1/2012年3月刊行/A5・224頁
イルカと話したい――〈海の隣人〉ともいわれ,霊長類としばしばその知能を比較されるイルカ.はたして彼らはほんとう「賢い」のか.感覚,行動,認知,さらに言語の研究から,「イルカと人間のコミュニケーション」という夢のテーマに迫る.
著:松田 裕之ISBN:978-4-13-060194-8/2012年11月刊行/A5・224頁
マグロ,クジラ,サンマやイワシ,さらに知床世界自然遺産の問題まで,海洋生態系で注目を集めるさまざまなテーマについて,順応的管理,リスク管理,生態系サービス,持続可能性など,保全生態学の最新の知見を豊富に盛り込みながら詳細に解説.海洋生態学や水産資源学を学ぶために必読の書.
著:糸魚川 淳二ISBN:978-4-13-060140-5/1993年1月刊行/A5・240頁
自然史博物館の基本的な要素と機能について解説し,さらにいくつかの博物館の実例に基づき,その特徴と問題点を抽出する.そして,それらと博物館理論を対比させながら,日本の自然史博物館の未来像を探る.
著:小畠 郁生 編ISBN:978-4-13-060155-9/1993年11月刊行/A5・368頁
いま恐竜像はダイナミックに描きかえられようとしている.本書は,7人の日本の研究者がそれぞれの独特の研究の視点をいかして恐竜像を描き,これからの恐竜研究のひとつの方向性を提示する.
著:秋道 智彌ISBN:978-4-13-060141-2/1995年11月刊行/A5・272頁
海に生きる人びとの航海術や漁撈技術,さらに交換と交易による「エスノネットワーク」や,「しきたり」による資源管理まで,太平洋の島じまをフィールドに,海人と海の生きものたちがおりなす世界をさぐる新たな海の研究の試み.
著:岩槻 邦男ISBN:978-4-13-060164-1/1996年5月刊行/A5・272頁
シダ植物は多様性と進化の研究モデルとして,種から系統にいたるまで優れた性質を備えている.本書はひとりのナチュラリストによるシダ植物を材料とした研究を通して,多様性の生物学が「生きているとはどういうことか」を解き明かしていく軌跡をたどる.
著:池谷 仙之/ 阿部 勝巳ISBN:978-4-13-060166-5/1996年10月刊行/A5・248頁
古生代に現れたオストラコーダは数億年の「記憶」をその小さなからだに秘めている.かれらを対象にして始まったひとつの自然史研究が,地球科学と生物科学のふたつの座標軸の上で,やがてさまざまなテーマをもった総合科学へと発展していく過程をたどる.
著:谷内 透ISBN:978-4-13-060170-2/1997年11月刊行/A5・280頁
海洋生態系の頂点にたつ狩人たち――サメ.かれらはその形態・生理・生態,そしてヒトとのかかわりにおいて,おどろくほどの多様性に富んでいる.ひたすらサメを追い続けてきた海洋生物学者が,生きものとしてのそのすがたをさまざまな視点からとらえる.
著:増沢 武弘ISBN:978-4-13-060168-9/1997年2月刊行/A5・232頁
ヒマラヤ,アルプス,アフリカ,アラスカ,そして富士山をはじめとする日本の高山--数々のフィールド調査にもとづいて,高山の環境に生育する植物たちのたくみな生きざまを生態学の視点から描き上げる.高山植物について学ぶために必読の基本書.
著:佐々治 寛之ISBN:978-4-13-060171-9/1998年1月刊行/A5・264頁
日本人に親しまれてきたテントウムシ.かれらを材料に分類,系統進化,種の多様性,生活史など,さまざまなテーマで展開されるひとつの自然史研究をみながら,身近な生きものたちから始まる自然史科学のおもしろさにふれる.
著:佐藤 哲ISBN:978-4-13-060142-9/2016年1月刊行/A5・256頁
アフリカのマラウィ湖,石垣島白保のサンゴ礁,アメリカのコロンビア川流域など,さまざまな地域をフィールドにしてきたひとりのフィールドサイエンティストが,多様なステークホルダーと協働して「地域環境学」という問題解決指向の新しい学問を立ち上げていく知的探求の物語.
著:内田 詮三/ 荒井 一利/ 西田 清徳ISBN:978-4-13-060195-5/2014年8月刊行/A5・240頁
水族館とはなにか――日本の水族館を牽引する「巨人」たちが熱く語るユニークな水族館論.レクリエーション,教育,自然保護,研究の場としての水族館について,名物館長たちが,飼育者としてのそれぞれの経験から,動物たちへの想いとともに語り尽くす.
著:渡辺 守ISBN:978-4-13-060196-2/2015年1月刊行/A5・272頁
身近な昆虫――トンボ.興味深いその生活史の特徴にふれながら,行動生態学,群集生態学,保全生態学など生態学の主要な分野ごとに詳述.トンボをとおして生態学の基礎から応用まで統合的な視点で書き下ろす.さらに,絶滅危惧種の保全について実践例を紹介.
著:落合 啓二ISBN:978-4-13-060197-9/2016年7月刊行/A5・290頁
特別天然記念物ニホンカモシカの40年におよぶ長期野外研究の集大成.徹底的な行動観察と個体識別による野生動物研究の優れたモデル.野生動物について学ぶ学生はもちろん,保護管理に携わる人たちに必携のニホンカモシカのモノグラフ.
著:倉谷 滋ISBN:978-4-13-060198-6/2017年1月刊行/A5・768頁
現代によみがえる博物学――ゲーテの形態学から最先端の進化発生学まで,脊椎動物の形態をテーマに時空を超えて壮大なスケールで展開される進化論.旧版の出版から12年を経て,進化発生学,古生物学,ゲノム科学などの最新の知見を取り込んで大幅に改訂.
著:山田 文雄ISBN:978-4-13-060199-3/2017年2月刊行/A5・296頁
ようこそ,ウサギの世界へ! 日本固有種ニホンノウサギ,特別天然記念物アマミノクロウサギそして侵略的外来種アナウサギ……かれらは捕食者から隠れて逃げるという戦略で長い時間を生き延びてきた.40年にわたりウサギ研究に取り組んできた研究者による集大成.
著:崎尾 均ISBN:978-4-13-060235-8/2017年7月刊行/A5・260頁
失われゆく豊かな生態系――水辺林.上流から下流まで河川に沿って分布する渓畔林,河畔林,湿地林など,さまざまな水辺林に生きるカツラ,ヤナギ類,ハンノキ,そして外来樹種ニセアカシアなどの生活史をはじめ生態学的な特徴をとらえて,水辺林の保全について考える.
著:冨士田 裕子ISBN:978-4-13-060250-1/2017年5月刊行/A5・256頁
日本の湿原王国――北海道.釧路湿原,霧多布湿原,静狩湿原など,さまざまな湿原でフィールドワークを続けてきた著者が,湿原に生きる植物たちの不思議で魅力的な世界を描く.湿原が消えつつあるいま,湿原生態系をよみがえらせる新たな取り組みを紹介する.
著:西田 治文ISBN:978-4-13-060251-8/2017年6月刊行/A5・308頁
古生物学から生物学へ――博物学の時代から遺伝子の時代まで,その歴史をたどりながら、植物の進化に迫る.さまざまな化石の魅力を紹介し,シダ植物,裸子植物,被子植物の多様化の過程を跡づける.古生物から生物学へと長い時間軸で展開される壮大なスケールのナチュラルヒストリー.
著:増田 隆一ISBN:978-4-13-060252-5/2017年6月刊行/A5・200頁
生きものの歴史をたどる生物地理学――北海道のヒグマはどのように渡来したのか,日本のハクビシンはどこからやってきたのか,都市に生きるキツネやタヌキはどのように暮らしているのか……最新の遺伝子やDNAの解析から哺乳類の進化や生態に迫る.
著:遠藤 秀紀ISBN:978-4-13-060254-9/2018年4月刊行/A5・288頁
著:湊 秋作ISBN:978-4-13-060255-6/2018年6月刊行/A5・288頁
天然記念物ニホンヤマネ――かれらはどのような動物なのか.冬眠,繁殖,育児などの生態を詳述し,森に暮らすヤマネたちの保全や環境教育のさまざまな取り組みについて紹介する.永年にわたりヤマネたちと真摯に向き合ってきた「ヤマネ博士」の集大成!
著:岩槻 邦男ISBN:978-4-13-060256-3/2018年12月刊行/A5・384頁
ナチュラルヒストリーとはなにか――大学,植物園,博物館とナチュラルヒストリーのさまざまな研究・教育・普及の現場を経験してきた著者が熱く語る.シリーズ刊行開始から25年,ナチュラルヒストリーシリーズ全50巻,これにて完結! 日本のナチュラルヒストリーのさらなる跳躍に期待する.