グリケーションの制御とメイラード反応の利用(食品シリーズ)
内容
目次
【第I編 グリケーションとメイラード反応】 第1章 メイラード反応の歴史と概観 第2章 メイラード反応の機構 1 はじめに 2 メイラード反応に関与する化合物 3 メイラード反応に影響する諸因子 4 初期段階生成物 5 カルボニル化合物の生成と後期段階生成物 6 後期段階反応生成物 6.1 後期段階反応においてみられる現象 6.2 蛍光を有する架橋生成物 6.3 その他のAGEs 6.4 メラノイジンの生成と生成機構 7 おわりに 第3章 疾病とメイラード反応―生活習慣病を中心とした疾患とAGEsとの関連性について― 1 はじめに 2 生活習慣病と血管障害 2.1 細小血管障害 2.2 大血管障害 3 その他の病態について 3.1 白内障 3.2 肝疾患 4 生活習慣病における血中AGEsの変化 5 まとめ 第4章 食品とメイラード反応 1 食品中のメイラード反応に影響する諸因子 2 メイラード反応による低分子生成物 3 褐変に伴って起こる諸現象 3.1 加熱香気 3.2 カラメル化反応(caramerization) 3.3 栄養生理的影響 3.4 褐変の利用と防止 4 食品中のメイラード反応生成物の定量 5 調味液のコクに寄与する香気成分 6 不揮発性メイラード反応生成物の呈味への影響 7 おわりに 第5章 環境中におけるメイラード反応 1 はじめに 2 環境中の有機物 3 腐植物質 4 腐植物質とメイラード反応 5 おわりに 第6章 メイラード反応生成物の検出と定量 1 はじめに 2 LC-MS/MSを用いたAGEs測定 2.1 測定例1:試験管内で調製したα-ジカルボニル由来AGEsの測定 2.2 測定例2:漢方薬 [阿膠]の測定 2.3 測定例3:尿中CMAの測定 3 まとめ 第7章 線虫を用いたメイラード反応の解析系 1 はじめに 2 線虫 Caenorhabditis elegans 2.1 線虫とは 2.2 線虫の培養方法 3 線虫を用いた老化研究 4 線虫を用いた体内メイラード反応の解析 5 おわりに 第8章 味覚センサを利用したメイラード反応生成物の解析 1 はじめに 2 味覚センサによる味の「ものさし」(味の単位)創り 3 味のコクの視覚化 4 メイラード反応の視覚化の可能性 4.1 基礎データ 4.2 味噌・醤油の評価例 4.3 牛肉の加工の違い 4.4 トマトの加熱による味の変化 5 まとめ 【第II編 生体におけるグリケーション】 第9章 生体タンパク質の糖化 1 食品化学から医学生物学に広がる糖化研究 2 生体内で糖化タンパク質は作られる 2.1 栄養代謝異常(高血糖) 2.2 炎症,酸化ストレス 2.3 加齢 2.4 腎機能低下 3 生体に備わるタンパク質糖化抑制のメカニズム 3.1 グリオキサラーゼ(GLO)を介したAGE前駆体の消去系 3.2 抗酸化化合物 4 糖化タンパク質は生体で何をしている? 5 診断・治療マーカーとして役立つ糖化タンパク質 5.1 Hba1c,グリコアルブミン 5.2 ペントシジン,カルボキシメチルリジン(CML) 5.3 蛍光AGEs 6 まとめ 第10章 糖化ストレス 1 はじめに 2 細胞とストレス 3 糖化ストレスとは 4 糖化ストレスの要因とその由来 5 糖化ストレスに対する応答 6 糖化ストレスと疾患 7 おわりに 第11章 グリケーションと骨粗鬆症 1 はじめに 2 骨質の規定因子としてのコラーゲン 3 骨コラーゲンのAGEs化の実際とその評価法 4 骨コラーゲンのAGEs蓄積に影響する因子 4.1 糖化,酸化,カルボニルストレスの亢進 4.2 加齢 4.3 骨代謝回転の低下 4.4 肥満 4.5 性別(男性であること) 5 骨コラーゲンのAGEs蓄積が骨質へおよぼす影響 5.1 無秩序な架橋形成 5.2 酵素的架橋の生成阻害 5.3 IntegrinやNCPsの結合阻害 5.4 骨系細胞への毒性 5.5 微細損傷の蓄積 5.6 HAPs配向性の異常 5.7 結合水の減少 6 AGEsに着目した骨質改善治療 6.1 SERM 6.2 TPTD 6.3 活性型ビタミンD3誘導体製剤 6.4 ビタミンK2 第12章 グリケーションとアレルギー 1 はじめに 2 グリケーションがアレルゲンの免疫原性に及す影響 2.1 食物アレルギーの感作メカニズム 2.2 抗原提示細胞による糖化アレルゲンの取り込み 2.3 糖化アレルゲンによるT細胞分化の促進 3 グリケーションがアレルゲンのアレルゲン性に及す影響 3.1 食物アレルギーの発症メカニズム 3.2 終末糖化産物のIgE反応性や脱顆粒反応誘導能 4 グリケーションを利用したハイポアレルゲン作成のポテンシャル 第13章 グリケーションと眼科疾患 1 体内でも生じるグリケーション 2 グリケーション産物の蓄積と生体の変化 3 糖尿病に伴う目の病気とグリケーション 4 加齢に伴う目の病気とグリケーション 4.1 白内障 4.2 瞼裂斑 4.3 加齢黄斑変性症 5 グリケーションの予防により目の病気は予防できるか? 第14章 グリケーションと統合失調症 1 はじめに 2 統合失調症と糖化(カルボニルストレス) 3 カルボニルストレスが亢進した統合失調症の臨床特徴 4 カルボニルストレス性統合失調症のマウスモデル研究 4.1 ビタミンB6(VB6)欠乏マウス [環境要因のモデル] 4.2 Glo1 KO×VB6欠乏マウス [遺伝と環境要因を組み合わせたモデル] 5 iPS細胞由来神経系細胞を用いたモデル研究 6 社会還元に向けた新たな取り組み 7 おわりに 第15章 グリケーションと糖尿病合併症 1 はじめに 2 グリケーションと細小血管障害 2.1 網膜症 2.2 糖尿病性腎症 2.3 神経障害 3 グリケーションと大血管障害 4 グリケーションと白内障 5 グリケーションとがん 6 グリケーションと認知症 7 おわりに 第16章 グリケーションとサルコペニア 1 サルコペニアとは 1.1 サルコペニアの歴史 1.2 サルコペニアの定義と診断(AWGS2019) 1.3 サルコペニアの危険因子と病態生理 2 AGEsとサルコペニアとの関係 2.1 AGEsと骨格筋量の減少との関係 2.2 AGEsと骨格筋機能(筋力,身体機能)の低下との関係 3 AGEsがサルコペニアに影響する要因 3.1 AGEsが骨格筋量の低下と関連するメカニズム 3.2 AGEsが骨格筋機能の低下と関連するメカニズム 4 AGEsが高値のサルコペニア患者への介入 5 まとめ 第17章 グリケーションと腎臓病 1 はじめに 2 腎臓はAGEsを排泄するデトックス臓器 3 糖化ストレスから見る腎臓病の病因論 3.1 糖尿病性腎臓病(DKD):糖尿病が原因の慢性腎臓病 3.2 DKD以外の腎臓病:炎症・酸化ストレス,腎臓老化などとの関連性 4 総括 第18章 メイラード反応との関連が報告されている疾患マーカーおよびAGEsセンサによる簡易測定 1 はじめに 2 臨床で用いられているメイラード反応関連マーカー 2.1 ヘモグロビンA1c (HbA1c) 2.2 グリコアルブミン (GA) 2.3 ペントシジン (Pentosidine) 3 AGEsセンサと病態の関連 3.1 簡易測定を必要とする社会背景 3.2 指尖経皮蛍光測定装置 AGEsセンサのデビュー 3.3 糖尿病合併症との相関 4 おわりに 第19章 GLやFL,2SC等,今後マーカーとしての利用が期待される構造について 第20章 診断と治療:抗老化 1 老化とは 2 糖化反応(メイラード反応)と老化 3 診断への利用 4 治療への利用 5 今後の課題と展望 第21章 診断と治療:抗糖化ストレス薬 1 はじめに 2 アミノグアニジン 3 チアミンとベンフォチアミン 4 ピリドキサミン 5 N-フェナシルチアゾリウムブロミド 6 アラゲブリウム 7 統合失調症に対するピリドキサミンの効果 【第III編 食品におけるメイラード反応】 第22章 加工・調理におけるメイラード反応 1 はじめに 2 植物性食品の加工・調理におけるメイラード反応 2.1 小麦粉 2.2 米 2.3 野菜 3 動物性食品の加工・調理におけるメイラード反応 3.1 魚肉 3.2 食肉 3.3 乳 4 発酵・醸造食品におけるメイラード反応 4.1 みそ・醤油 4.2 みりん 4.3 清酒・ビール 5 おわりに 第23章 メイラード反応と食品の色調 1 はじめに 2 メイラード反応による着色・褐変 3 メラノイジンの推定構造および褐変物質の生成機構 第24章 聴覚・触覚とおいしさ 1 はじめに 2 破砕音とおいしさ 2.1 音とテクスチャー用語 2.2 口腔内での振動と音の発生,伝播,感知 2.3 破砕音の機器分析と官能評価 3 米菓の口どけ感 3.1 口どけ感と物性 3.2 内部構造と口どけ感 4 おわりに 第25章 メイラード反応により生成される香り 1 メイラード反応で生成する香気成分 2 メイラード反応で生成する香気の嗜好性 3 メイラード反応により生成する香気の生理作用 第26章 メイラード反応生成香気の保健的機能性 1 はじめに 2 メイラード反応により生成する香気の生理作用~ラットにおける検討~ 2.1 アミノ酸-グルコース系メイラード反応生成香気が生体パラメーターに及ぼす影響 2.2 DMHFの吸入が食欲に及ぼす影響 2.3 DMHFの吸入が遺伝子発現に及ぼす影響 3 メイラード反応により生成する香気の生理作用~ヒトにおける検討~ 3.1 メイラード反応生成香気の吸入がヒトの気分に及ぼす影響 3.2 DMHFおよび3DPの吸入によるヒト自律神経活動および脳活動量の評価 4 おわりに 第27章 脂質とメイラード反応 1 脂質メイラード反応の発見 2 質量分析を用いた脂質メイラード産物の解析 3 LC-MS/MSによる新たな脂質メイラード産物の解析 4 リポソーム基材としての脂質メイラード産物の活用 5 おわりに 第28章 メイラード反応により生成する有害物質 1 はじめに 2 食品中でメイラード反応により生成される有害物質 2.1 ヘテロサイクリックアミン 2.2 アクリルアミド 2.3 フラン 2.4 4-メチルイミダゾール 2.5 終末糖化産物 3 アクリルアミドの生成制御 4 おわりに 第29章 醤油・味噌の特有香気成分の生成とメイラード反応 1 はじめに:醤油・味噌は「香り」の調味料 2 味噌と醤油に共通する特有香気成分HEMFはメイラード反応と酵母の関与で生成する 3 リボース,グリシン,グルコースの安定同位体(13C)を用いたHEMF生成経路の解明 4 醤油とみりんの調味液は,加熱によるメイラード反応で香りが豊かになる 5 加熱による「こうばしい香り」にチオール化合物が寄与する 6 本醸造醤油には、加熱で生成する香りの前駆物質が豊富にある 7 まとめ:発酵調味料「味噌・醤油」の香りを次世代へ伝える 第30章 食肉とメイラード反応 1 はじめに 2 香気成分 3 コク味物質 4 その他のアミノ酸あるいはタンパク質と糖との反応物 第31章 乳製品とメイラード反応 1 牛乳の加熱殺菌 2 牛乳のメイラード反応 2.1 概要 2.2 風味への影響 2.3 ラクトース関与のメイラード反応 2.4 メイラード反応生成物を利用した牛乳の品質管理 3 チーズのメイラード反応 第32章 コーヒーの焙煎とメイラード反応 1 はじめに 2 焙煎におけるメイラード反応 3 メイラード反応における前駆物質 4 コーヒーの色づき 5 香気成分の形成 6 メイラード反応生成物の機能性 7 おわりに 第33章 メイラード反応を利用した調味料 1 はじめに 2 熟成食品の解析から 2.1 MRPsについて 2.2 MRPsのこく付与効果 2.3 MRPsの塩味増強効果 2.4 調味料への応用 3 加熱調理食品の解析から 3.1 ピラジン類など香気成分のこく付与効果について 3.2 食品の香気特性の再現 4 おわりに 第34章 ペットフードとメイラード反応 1 はじめに 2 ペットフードの製造 3 ペットフードとメイラード反応 4 メイラード反応の利用による嗜好性の向上 5 メイラード反応の利用による機能性の付与 6 おわりに 第35章 天然物由来の糖化制御物質 1 はじめに 2 CML生成を制御する化合物 3 CMA生成を制御する化合物 4 Pentosidine生成を制御する物質 5 おわりに 第36章 天然物由来の抗糖化物質 1 はじめに 2 AGEs生成阻害効果の評価方法 3 AGEs生成を阻害する天然物化合物 4 おわりに 第37章 海藻由来の抗糖化物質 1 はじめに 2 フロロタンニン類 3 フロロタンニン類を生産する主な海藻類 4 フロロタンニン類の抗糖化活性 4.1 アルブミン-メチルグリオキサール 4.2 アルブミン-グリセルアルデヒド 4.3 コラーゲン-グリオキサール 5 その他 6 おわりに
カート
カートに商品は入っていません。