内容
魚は海流に乗って成長していき獲れる場所や季節で大きさや味が異なる。本書では都道府県ごとに各地で取れる魚の種類とその料理を紹介。流通の発達からどこでも比較的おいしい魚を食べやすくはなっているものの、その地方のウリである魚を知りたい人は必読。また「魚食文化」とタイトルにあるとおり、本書では各種の保存法から食にまつわる祭りや街道といった周辺の話題も紹介している。鯖街道や江戸時代の廻船(昆布の「道」)の話も載っていて「なぜこの土地にこの魚(海産物)が」の答えがある。たとえば、山梨県では「煮貝(アワビ)」が土産物としてあるが、海のない山梨県で取れるものではない。このように見ると面白いのは海に隣接していない県である。分量自体は少ないのだが、上記の工夫された方法および、あまり流通していない河川の魚料理を読むことができる。巻末には、練り物や押し寿司、なれずし、干物などの一覧や塩・かまぼこマップも掲載。