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ショパンの詩学~ピアノ曲《バラード》という詩の誕生~

松尾 梨沙  著

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価格 \5,060(税込)         

発行年月 2019年02月
出版社/提供元
言語 日本語
媒体 冊子
ページ数/巻数 399p
大きさ 22cm
ジャンル 和書/人文科学/芸術/音楽
ISBN 9784622087595
商品コード 1029348602
NDC分類 762.349
本の性格 学術書
新刊案内掲載月 2019年03月2週
商品URL
参照
https://kw.maruzen.co.jp/ims/itemDetail.html?itmCd=1029348602

著者紹介

松尾 梨沙(著者):1983年福岡県生まれ。ワルシャワ大学音楽学研究所へ留学。同大学ポーランド文学研究所でも学ぶ。東京大学大学院総合文化研究科博士課程修了。博士(学術)。日本学術振興会特別研究員PD。

内容

ショパンはその生涯に多くの歌曲を書いた。古典主義からロマン主義への過渡期にあった同時代6人の詩人の詩にショパンが付曲したものが主であるが、生前には刊行されず、ショパン作品群の中での位置づけは低い。一方で文学ジャンル「バラード」と共通する詩的な題名をもつ作品を、ショパンは4つ残した。ピアノを弾く人、聴く人に愛され続けてきた《バラード》1番から4番である。ピアノ独奏曲にバラードの語を用い始めたのはショパンが最初だが、その意図については、特定の詩作品との関連説が根拠なく有力視されてきた。ショパンの死後150年以上ものあいだ、なぜそのような解釈が許容されてきたのか。
これまで軽視されていたショパンの歌曲について、本書はまず詩の精緻な分析を行った上で、ショパンの付曲がいかに見事に各詩に対応しているかを明らかにする。つまりショパンには、文学作品を構造的・理論的にとらえる高度な能力と、それを音楽で表現する技量があった。その発見を梃子に著者は、《バラード》の構造を詩学と音楽学を駆使してつぎつぎに、よどみない筆致で紐といてゆく。そして浮かび上がるショパンの《バラード》は、特定の詩にインスピレーションを得て思いつくままに書かれたようなものではない、壮大な芸術的営みである。
ショパンは感傷的なサロン音楽の作者と目されがちで、そのような意味で「ピアノの詩人」と呼ばれてきた。しかし本当は、まったく別の意味でそう呼ばれるべきだったのではないか。作曲家の真髄を研究史の死角から救い出した、若手研究者の快挙。

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