ジェネラリストのための臨床感染症入門
谷崎隆太郎 著
内容
目次
1章 感染症診療の基本を身につけよう A 感染症診療には原則がある 1 発熱患者を診たら何があってもまず感染症から考える 2 「感染症診療のロジック」に学ぶ基本的な考え方 〔COLUMN〕略語で覚える感染症診療,POMA-R ! B STEP1 患者背景Patients backgroundを考える 1 患者背景って……? 2 “渡航歴”という背景 3 “免疫不全”という背景 4 市中感染か医療関連感染かという背景 5 患者背景は雄弁である 〔もっと知りたい!〕いつ海外渡航歴を聴取すべきか 〔もっと知りたい!〕患者背景 C STEP2 問題の臓器Organを考える 1 問診と身体診察で臓器特異的な症状を探す 2 問診と身体診察ではわからないこともある 〔COLUMN〕筆者の失敗談~臓器編~ 〔もっと知りたい!〕敗血症≠菌血症 〔もっと知りたい!〕それぞれのカテーテル関連血流感染症とその発生頻度 D STEP3 原因微生物Micro-organismを考える 1 傾向その1:ウイルス感染症は多臓器,細菌感染症は単一臓器の症状をきたすことが多い 2 傾向その2:横隔膜より上の細菌感染症はグラム陽性球菌,横隔膜より下はグラム陰性桿菌,皮膚科と整形外科領域はブドウ球菌と連鎖球菌 3 傾向その3:医療関連感染では耐性菌の頻度が上がる 〔もっと知りたい!〕腸内細菌目細菌とSPACEの関係 〔MEMO〕患者背景に免疫不全がある場合の原因微生物 4 傾向その4:1回良くなった後にまた悪くなった,という二峰性の経過は細菌性を示唆する E STEP4 適切に治療Antimicrobial agents(Antibiotics)する 1 感染症ごとの第一選択薬を選ぶ 2 適切な量投与回数で投与する 3 感受性試験結果は第一選択薬が感受性かどうかを確認し,なるべく狭域のものを選ぶ 〔もっと知りたい!〕カルバペネム耐性菌とは? 4 ざっくりわかる抗菌薬 〔MEMO〕 〔MEMO〕 〔もっと知りたい!〕セフトリアキソンの投与方法は? F STEP5 適切に経過観察Reassessmentする 1 5つのSTEPの1~4をみてみよう 2 良くなっているのか,いないのか――assessmentする 3 評価に困ったら診断に立ち返る 4 “Re”assessment――繰り返してこその経過観察 5 全身と局所――2つの観点 6 客観的な評価,定量的な評価 7 グラム染色は最強の評価ツールにもなる 8 経過観察の2つのコツ 〔COLUMN〕「解釈ではなく事実を述べるべき」なのはどのようなときか 9 抗菌薬を投与した後に考えること 〔COLUMN〕プレゼンテーションのトレーニング 〔COLUMN〕初学者と熟練者の違い G 5つのSTEPの流れとは逆向きの裏技 1 微生物から臓器がわかることもある 2 治療経過から微生物がわかることもある 〔もっと知りたい!〕静注抗菌薬を経口抗菌薬に変更するタイミングは? 〔COLUMN〕地域住民のリアルな受療行動とは? 2章 感染症検査各論 A グラム染色 1 そもそもグラム染色はどんなときに役立つのか 2 グラム染色の大まかな流れ 3 痰のグラム染色の手順と観察の基本 4 喀痰グラム染色で鑑別できる菌種 5 喀痰グラム染色は“使える”か? 6 尿のグラム染色の手順 7 尿グラム染色で鑑別できる菌種 8 治療効果判定のためのグラム染色 9 検体の採取保存方法について B 血液培養検査 1 血液培養検査の意義 2 血液培養検査の手順 3 血液培養を採取すべきタイミング 4 血培を採取すべきか――症例から考える 〔COLUMN〕どうしても不要な血液培養検査を省略したいあなたへ~感染症診療のChoosing Wisely~ 3章 感染症診療における細菌検査室の役割 A 細菌検査室がある場合とない場合で何が変わる? B 細菌検査室がある場合 1 培養検査はどのように行われる? 2 有益な情報をタイムリーに得られる 3 とは言え,“基本”の大切さは揺るがない C 細菌検査室がない場合 1 培養検査,何日くらいかかる? 2 つきまとう検体不良 3 得られる情報には限界がある 4 かなり不利な環境ではあるけれど 〔COLUMN〕感染症診療における検査について 4章 ケーススタディ―せっかくだから,POMA-Rに沿って考えてみよう case 1 case 2 case 3 case 4 case 5 case 6 巻末付録 本書に出てくる抗菌薬名称および略称 本書で使われる感染症関連略称 本書で使われる臨床検査名および略称 索引
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