内容
野外で多様な生物を観察すると「この違いはどうやって生じたのだろうか?」「この違いに何か意味はあるのであろうか?」「これらは別種なのか,同種なのか?」「オスとメスは,どうしてこんなに違うのか?」などといった疑問がふつふつと湧いてくるであろう.
本書は,こうした学生や研究者たちからの要望に応えるために,生態遺伝学の重要なポイントをできるだけ平易に説明することを目指した入門書である.
また,ここ10 年ほどの間に,次世代シークエンサーの開発によって野生生物のシークエンス解析が容易になり,集団遺伝学と進化生態学が急速に融合してきた.このような急展開を遂げつつある生態遺伝学の分野をカバーする唯一の教科書となる.