知を鐙す11のまなび

第8回 伊藤 亜紗先生

身体多様性の時代

この世に一つとして同じ身体はありません。自分で選んだわけではなく、たまたま与えられた自分の身体。満足している人もいれば、とまどいを感じている人もいるでしょう。 身体が変われば、世界の見え方も変わります。高齢化社会とは、身体の多様性が拡大する時代でもあります。本講演では、目の見えない人の感じ方などを通して、ふだん当たり前だと思っているのとは違う仕方で、世界や身体をとらえてみたいと思います。

日 時:2019年11月22日(金) 18:45~20:15
会 場:日比谷図書文化館 大ホール

伊藤 亜紗氏(東京工業大学リベラルアーツ研究教育院准教授)
専門は美学、現代アート。もともと生物学者を目指していたが、大学3年次より「文転」。研究のかたわらアート作品の制作にもたずさわる。主な著作に『目の見えない人は世界をどう見ているのか』『目の見えないアスリート』など。

【伊藤 亜紗先生 影響を受けた「私の3冊」】

自然と象徴

自然と象徴

冨山房

[理由]
「メタモルフォーゼ(変身)」をキーワードに、あらゆる事象を生成変化の相のもとに捉えるゲーテ。「花は葉が変形したものだ」と結論するとき、彼は花の背後に葉を見ている。異なるものの間に連続性を見いだすその眼差しにぞくぞく。私もまた、世界の無限の可塑性のなかに一時的に生じたひとつの形に過ぎないのだ。

品切

すてきにへんな家

すてきにへんな家

福音館

[理由]
卵型の別荘、自分で引っ越す家、ボートハウス…。世界中の変わった家と空想の中に生まれたおもしろい家を、タイガー立石のポップでシュールなイラストが描きだす。「はじめへんに見えても、やっぱりすてき」という感性は、自分の生き方にかなり影響を与えた気がする。もちろん自分の子供にも読み聞かせ中。

錯乱のニューヨーク

錯乱のニューヨーク

筑摩書房

[理由]
影響を受けた、というのとは違うかもしれないが、原稿が書けないときにこの本を読むとなぜか書ける。内容というより、「ニューヨークのゴーストライター」として書かれたそのノリに自らを感染させると、不思議な勢いがついて離陸することができる。

【伊藤 亜紗先生 著書】

記憶する体

みえるとかみえないとか

どもる体

どもる体

医学書院

目の見えないアスリートの身体論

目の見えない人は世界をどう見ているのか

【身体関連書籍】

膨らむ身体

膨らむ身体

せりか書房

身体はどう変わってきたか

文明と身体

文明と身体

臨川書店

日常の最前線としての身体

マイノリティの社会参加

軽度障害の社会学

軽度障害の社会学

ハーベスト社

マンガで考える障害者と社会の壁

不如意の身体

見えない私の生活術

見えない私の生活術

クリエイツかもがわ

ぼくの命は言葉とともにある

ボディ・スタディーズ

身体知性

身体知性

朝日新聞出版

空間と形に感応する身体

身体は「わたし」を映す間鏡である