理工学図書新刊ニュース　8月号

本書は『Excelで学ぶ多変量解析入門』の最新版。多変量のデータ分析手法の理解のためには、実際にデータを解析してみるのがよいので、例題を設け、これについて計算方法や解釈の仕方を説明している。Excelによる分析を丁寧に解説し、つまずくことなく多変量解析を学ぶことができるようになっている。

社会経済データに関する回帰分析について、観測領域の特性ばかりでなく、領域の位置関係も考慮することで、より実態に即した解析となる統計的手法を議論する。取り扱われる実例はGDP、民主化度、紛争件数、選挙行動など多岐にわたり、興味深い結論を紹介。社会科学の空間データについて、空間的依存性をモデルに取り込む有効性を示した好書。

古代から20世紀初頭までの代数学の歴史を解説する。もともとは未知数を決定するための技法の集積であった代数が、群・環・体を始めとした抽象的な現代代数学へとどのように進展していくのかを紐解いていく。時代的にも地域的にも広範な領域を網羅し、近年の研究成果も多く取り入れられている。代数学の通史としてこの上ない書籍である。

K中間子原子核の研究の実験的探索の流れと理論研究の進展について基礎から解説する。前半は、原子核とK中間子それぞれの基本的な性質を紹介し，量子色力学に基づき、カイラル対称性の観点からK中間子の性質を議論する。後半は、複合性の定式化、現代的なハイペロン散乱実などを紹介する。K中間子原子核の物理を学ぶ学生に最適な教科書。

物理の専門家でない読者を対象に、量子物理の基本的な考え方と最近の応用を、数式を一切使わず、Q＆Aの形で比喩などを使ってやさしく丁寧に解説した。基本的な考え方として、量子状態、ユニタリ発展、測定過程などを説明。応用については、量子暗号、量子コンピューティングなどの量子情報分野や、最新の原子時計などの計測分野を取り上げている。

電子顕微鏡は、電子線を照射した微小領域から結晶構造・原子配列や化学組成・結合状態の情報を取得することが可能なため、材料やデバイスの研究開発における強力な分析評価装置である。本書は電子顕微鏡の新規利用者を念頭に、活用する上で必要な基礎知識と具体的な技能修得について解説。　【目次】電子顕微鏡序論／電子顕微鏡の基礎／他

発酵食品、未病・予防医学・生活習慣病に興味をもつ一般読者を対象に、「発酵とはなにか」を興味をひく話題をまじえてわかりやすく解説。発酵食の文化史や、健康維持への有効性を織り交ぜ、発酵の魅力を伝える。さらにアミノ酸発酵や核酸発酵が完成した経緯を追いながら、革新的発酵技術の開発に関わった研究者たちの熱き想いも紹介する。

地球において珪藻が最大規模で風化を行っていることを明らかにし、珪藻が地球環境を大きく変えてきた可能性に言及する。さらに生物による風化反応が地球の炭素循環を変えることにより、氷期―間氷期サイクル突入のきっかけを作り、周期や振幅の拡大をもたらしたことを説く。ここ近年の二酸化炭素問題を解く鍵を見出せるかもしれない一冊。

Web 上で公開されているデータを分析し，有益な知見を得るための基本技術を解説する。サンプルコードはサポートサイトからダウンロード可能。〔内容〕はじめに／サンプルコードの実行環境／テキスト分析1：テキストのベクトル化／テキスト分析2：ベクトルを用いた分析／ネットワーク分析／評価データ分析／Web からのデータの収集／他

ソーシャルゲームやスマホゲームの台頭や、業界への新規参入などから、現在ではテスト設計をもとに計画的に実施されている。本書は、ゲームテストに初めて触れる人に向けて、複雑化したゲームテストを平易に解説。業界から見たゲームテスト、ソフトウェアテストから見たゲームテスト、どちらからも入りやすいようにベテランがやさしく解説する。

2.0対応。

検索はいたるところで使われており、日々変更され改善が続けられている。本書は検索システムの改善に携わる著者陣によって「検索ランキングの改善」に焦点を当て、実サービスの検索ランキングの改善に役立つ知識と、実際の実装例、導入するための周辺知識までを包括的に解説。機械学習の理論と実践の間を埋める、実務で役立つことを目的とした書籍。

Productionsの共同創設者による、プログラミングのベストプラクティスについて綴った本。21のルールから成り立っており、すべてのプログラマーが知っておくべき本質的な知恵と、熟練したプログラマーにとって示唆に富む洞察を含んでいる。デバッグの際に有用な知識も多い。

初心者を対象にして「超」詳しく書かれたSystemVerilogの入門書。SystemVerilogは多くの機能を備えているため、障害となりうる仕様・機能に関しては紙数をいとわず懇切丁寧に解説し、初心者が正しく理解・習得できるように導く。またSystemVerilogはどのような機能を持つ言語であるかを、正確かつ手短に把握する資料としても活用できる。

太陽系外惑星の発見、怪物ミュータントとの戦い、ウォーキングデッドからの脱出など。さまざまなプロジェクトを、コンピュータビジョンや自然言語処理などを適用しながら、Pythonプログラムで実行する。これらのプロジェクトを通して、Pythonのライブラリとモジュールに関する知識を深め、便利なショートカット、関数、テクニックを学べる。

アルゴリズムの基本的な考え方から，さまざまな分野で使われる代表的なアルゴリズム（並べ替え，データ探索，経路探索，データの圧縮と展開，誤り検出・訂正，セキュリティ・暗号），人工知能や機械学習に関する内容まで丁寧に解説。

本書は情報通信やインターネットの基礎的な内容のみならず，他の入門書にはあまり書かれていない比較的高度な内容も含む。各章末には情報関連の各種資格試験の過去問題を収録し，本書で学んだ内容がどのような設問として問われるかがわかるようになっている。

スマートフォンの顔認証機能によるロック解除、自動車の自動ブレーキなど、利用範囲が広がる画像認識について基礎から学べる入門書。データの基礎、画像の撮影方法、具体的な画像処理手法、さらに機械学習や深層学習なども含め、ポイントをまとめて解説する。

2種冷凍試験の受験対策書。冷凍機械はビルや住居の空調設備なども含み、ビル、冷凍施設などの装置の保守点検や関連業務など幅広い業務に携わる。原理や構造のイメージがつかめるよう図表を効果的に用い、重要な内容を示したポイント解説といった特徴を継承しつつ、最近の出題動向を精査、問題の入れ替え等を含め、内容のブラッシュアップを図った。

説得力をもった図面を描くための指導書。最新JIS B 0001：2019［機械製図］に準拠。ロングセラーの改訂版。正しくすぐれた図面は、生産現場においてすぐれた指導性を発揮する。本書は、初版1975年発行以来、この図面がもつ本来の役割を踏まえ、機械製図の演習に最適な「製作図例」を厳選し、すぐれた図面の描き方を解説している。

計算力学の全体像を幅広く見渡せるように一連の体系を整理した教科書。自ら解析を実行できるスキルの習得を目的とする。解説はさまざまな学習背景を持つ学生（高専からの編入生や留学生等）を配慮して、土台となる数値解析から始める。基礎の徹底を図り、有限要素法を解説し、終盤には将来への橋渡しとして最適設計を紹介する。

製図に特化した技能試験に対応した「機械製図CAD作業技能検定実技試験1・2級　実技課題と解読例」の第4版。実技課題の解読方法を着眼点を示して解説した受験対策問題集で、直近の3年間（令和2年度、令和3年度、令和4年度）の1級と2級の実技課題と解答例を紹介している。

プラスチック成形を入り口として、材料を化学的に捉えながら、射出成形がどのようなものか、丁寧に解説。製造現場の視点からひも解くため、実務者におすすめ。新入社員・初級者が知っておくべき内容を網羅する。

わかりやすく解説。幅広い分野で使われるめっきや塗装、成膜、熱処理など表面処理技術の秘密に迫る。働きなどのメカニズムもイラストでやさしく図解。主に機械部品に多用される技術や機能を掘り下げて紹介する。

１級土木施工管理技士の受験参考書。記述に特化し、準備から取り上げる業務の選び方、記述テクニックまで解説。よくあるNG例を見ながら記述のレベルアップをサポート。経験記述ではよく出題される「品質管理」「安全管理」を中心に、30種の文例を紹介。選択問題では豊富な図表を用いた講義形式で知識を抑え、実践問題で知識の定着を確認できる。

［建築］［躯体］［仕上げ］の各工種で取り組める施工経験記述例のほか、出題頻度の高い建設用語の解説、工程管理・法規・施工の想定問題やキーワードで学習のポイントがわかる構成。今回は、建設業法施行令の改正などをふまえ内容を見直した。巻末には、最新試験5年分の解答・記述例、力試しができる参考問題を収録。

仏教はガンダーラから中国へ伝播した北伝仏教と、東南アジアへ伝播した南伝仏教があり、流派、時期、道筋とも膨大な広がりがある。アジアにはヒンドゥー教やイスラム教を国教とする大国があるが、どこか仏教の痕跡が残っている。本書ではアジアの国々の代表的な仏教寺院を取り挙げ、人類史の古代と近代の間を繋ぐアジアという地域とその文化を巡る。

製造業でも、物流現場のカイゼン活動への取り組みが進んでいます。物流部門の最適化を念頭に、コスト削減や効率化を推進する企業が増えるなか、カイゼンによるコスト上昇を気にする企業も多くあります。本書では、簡単にできる工夫でカイゼンを行う考え方を解説します。