シロナガスクジラの原寸大模型
海洋哺乳類の展示場は開場してからすでに50年以上が経ちますが、今でも大変人気のあるコーナーです。地球上に生息する最大の動物であるシロナガスクジラの原寸大模型は、博物館の目玉のひとつとなっています。記録上最大のシロナガスクジラは全長33メートル、体重130トン(およそ人間1750人分)でした。ここでは対話式の展示によってクジラの体重がいかにして支えられているのかを学ぶことが出来ます。
恐竜
今もっとも人気のある展示は恐竜です。博物館の西棟全体が恐竜の展示場となっており、実物の骸骨、動く模型、ビデオなどが近代的な設備によって展示されています。この間の国民の休日には何と3時間の行列ができました。ちなみに「恐竜」(dinosaur)という命名はリチャード・オウエンによるもので、ギリシア語で「恐ろしい竜」を意味します。今中央ホールにはこのディプロドクスの骸骨レプリカが展示されています。全長26メートル以上ですが、頭蓋骨の大きさは牛と同じくらいしかありません。また、恐竜が実際にどのような姿形をしていたかを再現するために、科学者は今日の動物との比較を行います。現存する生物の構造について理解することで、古生物学者は恐竜たちが残していった手掛かりを継ぎ合わせることができます。今、恐竜展示場でもっとも人気のある、首を動かして鳴き声をあげるロボット型の展示は、そのような研究に基づいて制作されました。日本製です!
ドードー
来場客の誰もが、鳥類展示場のドードーを見に来ます。ドードーは完全な標本が残されていないため、ここに展示されている模型は推測に基づいています。ドードーはかつてモーリシャスに生息し、大型のハトのような格好をした鳥でしたが飛ぶことはできませんでした。最後のドードーは1693年に船乗りに殺されました。
地学展示館ホール
地学展示場は別の建物にあり、専用通路を通っていきます。このエスカレータはヨーロッパ最長のもので、地球を象徴する亜鉛と鉄と銅でできた巨大な球の中を通って上の階に行くようになっています。
日本の地震の再現
地学展示館では、日本のスーパーマーケットのモデルの中に立って、地震を体験することができます。この展示は1995年の神戸大震災で亡くなった方々に捧げられています。
イベント
休暇シーズンになると、自然史博物館は様々なイベント、講演会、ガイド付ツアーを催します。たとえば1830年代に活躍した古生物収集家のメアリー・アニング(Mary Anning, 1799-1847)の役を女優が演ずることにより、来館者の興味を高めるといったイベントは子供に大変人気があり、幼い世代に科学への扉を開きます。
学校が休みに入ると博物館は大変混雑してきます。自然史博物館には年間約1700万人の来場客があり、これは有料施設としてはロンドンで3番目です。内部にはレストランが3箇所、ギフトショップが2箇所、本屋が1箇所あります。17歳未満の児童と60歳以上の大人は入場無料です。
新しい展示場
今もっとも新しい展示場は「ジャーウッド・ギャラリー」(Jerwood Gallery)です。これは主に大人向けに、繊細な美術作品の展示のために設計されています。建設費用はジャーウッド財団が負担し、高い環境基準と安全基準にしたがって作られています。5月末には19世紀の動物画家ジョゼフ・ウルフ(Joseph Wolf, 1820-1899)の作品展示を行います。ウルフはシーボルトの『日本動物誌』を描いた画家の一人です。
1. 自然史博物館の歴史について 2. 人気のある展示会場・イベントについて 3. 自然史博物館の内部について 4. 自然史博物館の活動と未来 |
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