理工学図書新刊ニュース　2月号

『理科年表』シリーズ。地球温暖化、気象、酸性雨、生物多様性、感染症、エネルギー、廃棄物など環境に関する情報をまとめたデータブック。主な改訂点は、「ヒトの健康と環境」章に放射線の項目を追加、読めるトピックも充実。トピック例：火山の分類とその歴史、野生動物による被害、ジカウイルス感染症、福島原発事故後の放射能汚染と現状など。

物理学、化学、生物学、地学、心理学、文化人類学、美学、スポーツ科学などの分野で、「左と右」といった対称性が持つ意味を考察。自然界では物理学の原理的な対称性、動物の体の対称性/非対称性、地球の南北や、美学の分野からは右脳的（アート思考）人間の可能性、スポーツ科学の分野ではサッカーにみる人間行動の「左と右」などの話題を解説。

姉妹書『基礎からのベイズ統計学』からの展開。正規分布以外の確率分布やリンク関数等の解析手法を紹介，モデルを簡明に視覚化するプレート表現を導入し，より実践的なベイズモデリングへ。分析例多数。特に心理統計への応用が充実。

ビジネス的な題材，初学者視点の解説，ExcelからR（Rstan）への自然な展開を特長とする待望の実践的入門書。〔内容〕確率分布早わかり／ベイズの定理／ナイーブベイズ／事前分布／ノームの更新／MCMC／階層ベイズ／空間統計モデル／他

　本書は，力学系やカオスに関する非常に多くの話題に関して，たくさんの具体例を交えながらやさしく解説している，非常に定評のある力学系の入門書の原著第3版。単純な微分方程式を皮切りに，2次元線形系から，高次元，非線形系といった高度な話題へと展開する。また生物学，回路，力学など，さまざまな応用も多く言及されている。

　統計学の主要分野である大標本理論（漸近理論）を詳説。本書は全4部・24章構成であり，独学も念頭に置いて1章ごとに1つの定理・話題を扱う。前半部では，大数の法則，中心極限定理・χ2検定などの基本的内容を扱い，後半部で，大標本理論における推定・検定などの内容を扱う。各章の最後に章末問題があり，学習が進めやすいよう配慮されている。

近年，各分野でデータ解析の方法論としての統計学の重要性が増している。本書は，実用面を意識し，データ解析のための基本的な手法の理解と，それを使って結果を解釈できる能力を養うことを目標に執筆された，初心者には格好の書。

Rにまだ慣れていない学生や研究者、実務者向けに、基礎を簡潔に解説。第2版ではデータの扱い方、統計学的手法の普及に伴い必要となった、高度な解析手法などを大幅に加筆。監訳者はR情報交換サイト「RjpWiki」の管理人であり、実装の反応を理解し原著者と話したうえでの日本語版監訳版。

普遍性の考え方に焦点を当てるため、圏論の最も基本的な内容のほかはあえて割愛。圏と関手の基本的な語彙を確立した後、随伴関手、表現可能関手、極限という三つの異なる普遍性の現れを学び、最後にこれらの関係を解明する。圏論の要点を速習できる。

上巻で取り上げる第I部「古典幾何学」は、古代ギリシャ人が幾何学を創造してきた歩みにならい、実用的な測量に活きたタレス、ピュタゴラス学派、プラトンあたりの幾何学に始まり、ギリシャ期の最後の偉大な創造である平面三角法と球面三角法、そして人類の夢の一つである天体の運動の理解までを豊富な実例とともに解説。

　本書はハドロンの性質を，クォークとグルーオンの運動を記述する法則であるQCD（量子色力学）を用いて理解しようとする試みを紹介。単なるお話ではなく，入門書として，物性の基本法則や格子QCDを使った推論や数値計算などを通して，ハドロン物理の解説をする。格子QCDを使用した素粒子理論，原子核物理研究の最前線の一端も併せて紹介している。

身のまわりの現象から量子現象までを取り上げ、それを読み解く。お話としてでなく、高校レベルの物理と数学を使って解析・解説する。第I部では海や川や空、地球や月などのちょっと不思議な話題を取り上げて解説し、第II部では、多くの人が興味をもつ量子の世界についてもわかりやすく解説。

　本書は著者らの40年に及ぶダーウィンフィンチという一群の鳥を対象にした研究をもとに，多数の種が適応放散や種分化によってどのようにつくられたのかを記したものである。鳥やその他の生物の驚くべき多様性に絶えず不思議な感動と好奇心を感じる幅広い読者に読んでもらえるよう，平易にまとめられ，専門用語については用語集として掲載している。

「トートラ人体の構造と機能」のコンサイス版。ヒトのからだを単なる部品の寄せ集めではなく全体として理解できるよう工夫されている。正確でエレガントなイラストと人体の構造と機能を関連づけた内容によりポイントがつかみやすい。臨床との関連記述、臨床解剖との相互比較など完全理解でき、実践に役立つ。

知識がなくとも、生命を科学的に解きながら、人工生殖=卵子冷凍保存､臓器移植･脳死､再生医療=万能細胞､遺伝子操作､認知症など…近年話題の生命科学についても解説。図版を多用した教科書。

グループでの調査や議論を通して，自主的に問題を発見し，問題解決の糸口を見つけ，その成果を発表したり文書化するためのワークブック。基本的な調査スキル，ライティングスキル，資料作成スキルを学ぶことができるよう解説。

電気技術者、電気関係資格試験受験者の座右の書「電気設備技術基準・解釈」の2017年版。2016年版発行以降の改正内容を反映させるほか、電気事業法の改正概要等について、わかりやすい解説を付録として加え、最新の内容として発行。

第一種電気工事士試験の一次試験である｢筆記試験」を対象とした過去問題集。筆記試験に出題される内容の要点を整理して掲載。過去10年間の筆記試験問題についてていねいな解説を加えている。

平成28年中に実施された改正や、その他の法改正の内容を盛り込む。電気関係の法令に重点を置き、工業高校の学生から大学生、電気関係の初学者向けにやさしく解説。また、電気施設管理については、高専や短大の学生及び第2～第3種電験受験者が習得しておかねばならない基本的な事項をまとめてある。

技術士第二次試験は択一試験と論文試験で構成されている。とくに対策が難しい論文試験でどういった問題が出題されるかは、受験者にとって大きな関心事となる。本書は、そういった受験者の要望に対して、具体的な問題事例とその要点を解説し、さらに、その解答例を示した技術士第二次試験「電気電子部門」合格のための対策本。

試験科目に合わせた「法規」と「無線工学」の2編構成。重要用語、解法のポイントなどを「吹出し」の形式で示すとともに、テーマごとに最新の出題傾向に則した「練習問題」を掲載。本書の問題を実際に解いていくことで、合格に必要な実力を身につけられる構成となっている。

出題のポイントを絞り込み、問題を項目ごとに分類。式を省くことなく丁寧に解説。試験受験者のために、既往問題を精選して収録。既刊の試験問題と重複しない内容。解説を充実させ、電波法規などの長文問題も読みやすくした。

「消化器疾患」の治療・処方・服薬指導などについて、図表を用いて解説。病気の概要と治療薬についてだけでなく、治療法やその処方の意図、それに基づく情報提供についても科学的なエビデンスに基づいて学ぶことができる一冊。

　本書は現代の暗号・認証技術のしくみを予備知識なしでも理解できるように紹介し，暗号・認証技術がインターネットでの安全な通信をどのように実現しているか解説。クラウドなどネットワーク環境の多様化に伴い，暗号技術は公開鍵暗号やディジタル署名からさらに進歩している。その最新の研究の一つである高機能暗号についてもわかりやすく解説。

セマンティックWeb は，人が読むドキュメントから機械が意味を解読できる構造化データへ拡張させた未来のWebである。本書では，データの意味を扱うRDF， 共通語彙，リンクトデータ，SPARQLの最新技術を解説する。

Processingは簡単な記述である程度の機能を持ったプログラムが作成できるので，初学者に適したプログラム言語である。本書はそのProcessingを教材として，論理的思考による問題解決力を養うことを目的とした。

本書は，情報関連の様々な学問を学ぶ上で基礎となるコンピュータの基本的な動作原理の理解を学べる教科書である。図面や例題を多用し基礎から応用まで難易度の異なる演習問題を入れ理解度の確認ができるように工夫した。

大学・短大で必要とされるWord、Excel、PowerPointを1冊で学べる。また、アプリケーションだけでなくインターネットやメールの仕組み、簡単なHTML（ホームページ作成）まで学べる。

音楽にとって極めて重要なピッチ（音高）を人間の神経がどのように符号化するのかを詳しく考察。事実と実験結果、推測に基づいた大胆な仮説を提案し、秀逸な知的エンターテインメントとして読むこともできるが、各分野の研究者には多くのヒントやテーマが潜んでいるだろう。幅広い層の読者に興味深い本だと思われる。

PCの仕組みの簡単入門で基本をおさえ、著者オリジナルのパズルを解きながらプログラミングの楽しさを体感できる。プログラミング生活六十余年の著者がユーモアと機知に富んだやさしい語り口で解説。プログラミングを始めたい人、初学者、初心を忘れたプログラマを「プログラミング道」＝「プログラミングを楽しむ道」へと誘う一冊。