理工学図書新刊ニュース　3月号

EuclidからDirichletへ至る整数論の展開を追体験しつつその礎をなす諸理論の深い理解へ。解析的整数論の初歩を中心に，ほぼ全般を初等算術により解説。初学者を導く無二の書。〔内容〕整数の整除／整数の合同／指標／2次形式序論／他

ソリトン，戸田格子，逆散乱法などの数理物理に端を発し，幾何学・代数学・数論など多くの分野に広がる可積分系の世界を総覧する。〔内容〕古典可積分系／離散可積分／可解格子模型／幾何学と可積分系／応用可積分系

データサイエンスで重要な手法を，Rで実践し身につける。〔内容〕多次元尺度法／対応分析／非線形回帰分析／樹木モデル／ニューラルネットワーク／アソシエーション分析／生存時間分析／潜在構造分析法／時系列分析／ノンパラメトリック法

　本書は，理工系学生向けに書かれた常微分方程式の入門書である。常微分方程式の解法だけに的を絞っており，微積分学を学び終えた学生が常微分方程式の解法に習熟できるよう例題をできるだけ多くし，解法自体も整理した形で分かりやすく解説している。第3版では例題・例を追加し，一部を差し替えることで，より一層の分かりやすさを追求した。

　ある媒質の中を波が伝わるとき，その波面（波頭面）がお互いに干渉しあって，特異点が発生する。本書はこの「波面の伝播」によって現れる特異点集合とそれによって生成される「焦点集合」を研究するための幾何学的枠組みについて詳説する。さらに，ブラックホールやブレーン宇宙論など，様々な応用の入り口へ意欲的にナビゲートしていく。

進化の生存競争で利点をもたらした結果、人間に生得的に埋め込まれるようになった直観的な数学の能力を鍵に数学論を解説。他にも、大きなサイズの標本に正しく対処する統計学的な能力、ゲーム理論などの人間集団が取る行動の数学的分析、理解不能なコンピューターの高速性も直観的でないと説明され、論理を基礎とした厳密な数学のあり方も及ぶ。

カリフォルニア工科大学の名物講義の講義録をもとに書かれた、世界中の多くの大学で使われる定番テキストの邦訳。組合せ論のさまざまな分野間の相互関係を示し、各分野の主要テーマを概観する。組合せ論に関する著者たちの趣向がふんだんに盛り込まれ、組合せ論を志す学生のみならず研究者にとっても座右の書として折にふれて参照したくなる一冊。

診療放射線技師養成課程における教科書・参考書。わかりにくいと言われている放射線物理学を、独学でも本質が深く理解できるよう、図による説明を加えるなど、わかりやすく解説。国際放射線単位・測定委員会（ICRU）の放射線の量の定義改訂に関する情報も反映し、放射線関連国家試験の基礎力が得られる。

理工系の学部生が知っておくべき物理学（量子力学、熱力学、統計力学）の基礎をコンパクトにまとめた一冊。学部生が最低限知っておくべき内容を厳選し、分野を俯瞰するガイドかつハンドブックとなるべく執筆。第I部 量子力学、第II部

化学系学部の学生に「化学で必要な数学」の知識を、平易な本文と、わかりやすい図表を用いてまとめる教科書・参考書。多くの学生が興味を示すように、単純な数学の問題ではなく、化学に直結した例を多数挙げ、丁寧にわかりやすく解説。例題および練習問題を充実させており、解答・解説を丁寧に記述。

淡水魚の1/3が絶滅の危機に瀕している。人間の経済活動のために過度に淡水環境は改変され，今その開発がアジアを襲っている。淡水魚の研究者である著者が，淡水魚種の持続性を切に願い，ホットスポットであるアジアモンスーン各地の淡水魚の分布調査を通して探求した，淡水魚の生態とそれを取り巻く人々，そして自然環境の喫緊の記録である。

　過去50年の間に「利己的遺伝子」という考え方が登場し，生態学の概念に革命が起こった。本書ではチョウの研究を通してここ40年ほどの生態学の変遷を振り返りながら，交尾成功へ向けたチョウ成虫の技を解説。吸蜜において花と駆け引きをしながら子孫を増やそうとする成虫の振る舞いや，交尾成功へ向けた雌雄の手練手管は如何に‥？

本書は脳の非対称性について，「我々はなぜ異なる働きをする左右の脳を持っているのか」「それらは，いつ頃，どのようにして作られるのか」などの疑問に，微視的なレベル，すなわち，分子，細胞，シナプスそして神経回路のレベルで，現在どこまで答えられるかを試みている。【目次】左右差研究の歴史／体の左右を決めるしくみ／他

黎明期以降のトランジスタの発展，すなわち集積回路の高集積化に対応する極微スケールでの動作機構や物理を解説。〔内容〕半導体のキャリヤ輸送／解析／古典的なMOSFET／バリスティックなMOSFET／微細系のキャパシタンス／他

本書は，徹底した過去問題の分析により短期間で合格できるように工夫された問題集である。各章扉で過去の出題傾向分析と学習の指針を示してある。最新５年間の出題問題から出題傾向に沿った多数の過去問題を掲載してある。項目毎に試験によく出る重要事項をまとめ，図表を豊富に盛り込み，２色刷で視覚的にも覚えやすい工夫がされている。

2011年発行の「電験三種やさしく学ぶ」シリーズの「法規」の改訂版。旧版同様、「図を豊富に用いたわかりやすい解説」、「側注を設けた徹底解説」の紙面構成はそのままに、最新の出題傾向を踏まえた問題の差替え、本文や問題の解説の充実などを行い、よりやさしくわかりやすい内容にパワーアップした。

電気工事士の資格を取得し、これからビルの電気工事の実務に就こうとしている方を対象に、どのような段取りで、どのようなことに注意して工事を進めればよいかを解説した実務入門書。電気工事の仕事の実際を豊富な写真や図により、建設工事の進行に合わせて解説。

ロマンスカー60年の変遷を紹介し、2018年3月に10年ぶりに新型車両としてデビューする最新のロマンスカー70000形の「構想から技術開発」「設計の過程」などの独自性について解説。設計、製造に直接携わる現役技術者が、設計までの視点を盛り込んで書き下ろした。

平成30年度の候補問題13問を元に、寸法・使用材料・施工条件等を想定して予想問題を作成し、解答・解説。使用材料の写真、電線・ケーブルの切断寸法、電気回路図（複線図）、完成施工写真等を掲げ、施工上のポイントも含めて一目でわかるように簡潔明瞭な解説をほどこした。

電気通信主任技術者試験の科目「伝送交換設備及び設備管理」の受験対策問題集の改訂2版。過去6年間12回分の問題を掲載。

第一級陸上無線技術士試験（一陸技）の過去に出題された問題（平成29年7月期～平成26年1月期の4年分全8回）を科目ごとにまとめ、「問題」→「解説」の形で解説した過去問題集。ていねいな解説はもちろんのこと、試験のテクニック、暗記するポイント、類題の出題傾向等も盛り込んだ。

本書は信号解析の教科書である。前半では連続信号と連続時間システムを，後半では離散時間信号と離散時間システムを扱い，確定信号を対象として，その性質を明らかにするとともに，関連するシステムの扱い方もわかりやすく解説した。

既刊「第一級陸上特殊無線技士試験　集中ゼミ」の第3版。最新の動向を分析し掲載問題を全面的に見直し。著者による充実の解説。試験合格への実力を養成。掲載問題は詳細な過程を示し、間違いやすい問題には、詳しい解説に加えて解法のポイントやテクニックを記載。

本書では、「泌尿器疾患」「生殖器疾患」「感覚器疾患（眼疾患・耳鼻咽喉疾患・皮膚疾患）」の定義・症状や診断、治療法などについて、図表を用いて解説。病気の概要と治療薬についてだけでなく、治療法やその処方の意図、それに基づく情報提供についても、科学的なエビデンスに基づいて学ぶことができる1冊。

情報処理基礎テキスト（UbuntuによるPC-UNIX入門）の改訂版。自宅PCで自習可能。Ubuntuのバージョンを更新。[内容]UNIXの基礎／エディタ，漢字入力／メール，Web／図の作製／LaTeX／UNIXコマンド／簡単なプログラミング／仮想環境／他

「データサイエンス」について、これだけは知っておきたい基本事項を解説。データの使い方の基礎から、いま人工知能で話題となっているディープラーニングまで、データサイエンスの書籍にありがちなふくざつな数式は最小限に、その基本的な考え方と手法の原理を紹介。

イラストや写真を多用したビジュアル重視の紙面で初心者に直観的に理解できると人気のHead FirstシリーズのPython版。前半でPythonの基本を一通り説明してから、実際に独自のWebアプリケーションをステップバイステップで構築する作業通じて、データベース管理、例外処理、データ処理などの理解を深めてける。

全世界で多くのユーザーの支持を集めているシングルボードコンピュータ「Raspberry Pi」のコンパクトな入門書。第3版ではRaspberry Pi 3に対応しているほか、用途別の多様なディストリビューションや、アナログ入出力の解説を強化。電子工作をこれからはじめる入門者、学生に最適の書籍。

DevOpsを組織の内側から変革する文化的なムーブメントととらえた上で、DevOpsの概要と、DevOpsがもたらすチーム間の変化などについて書いた書籍。個々人が一緒に働きながら強い関係性を作る方法や、チーム間で親和性を高めるコツや、文化的な方向性を適したものにするためのツールやワークフローについて解説。

コンテナの作成と実行方法とKubernetesクラスタの作成を紹介し、Kubernetesの主要コンポーネントの機能と特徴を解説。サンプルアプリを用意しており、それを立ち上げて読み進めていく構成。順番に読み進めて、手を動かしていけば、Kubernetesの一通りの機能について学ぶことができる。

本書は，「インターネットをさらに高速化する方法は？」「インターネットで海外と通信するとなぜ遅くなるのか？」といった7つの疑問に対して，高校レベルの数学による数理的手法を用いて解説する。【目次】インターネットはどこが優れているのか？／インターネットに弱点はないのか？／他

本書は，簡潔データ構造の基本理論（ビットベクトル，文字列，木構造など）を説明する。論理的内容は保ったまま，構造の簡単化，容易な実装，処理の高速化ができるデータ構造の構築に焦点を絞った。各データ構造の性能に関する証明も与え，データ構造の新規開発にも役立つよう解説した。【目次】基本的な簡潔データ構造／ウェーブレット木／他

　本書は「大学生としての情報リテラシースキルを養成すること」と「社会人としての情報スキルを射程圏内に入れること」を目標に据えた教科書。大学生が講義を受けながら必要に応じたテクニックを吸収していけるよう構成されており，卒論やダイナミックな資料作成が可能になることを目指す。情報を適切に扱うための知識についても丁寧に解説。

　社会人基礎力として必要となる情報スキルを養成していくテキスト。パソコンの基礎を学ぶ学生を対象として，OSの環境に左右されない，コンピュータリテラシーの基本的な考え方を身につけることを目的とし，学生自らが考え活用していくことを目指した。Windows10，Office2016対応。【目次】WindowsとOfficeの基礎／インターネット／他

　初版刊行から6年が経過し，情報通信技術（ICT）の分野は飛躍的な技術革新があった。第2版では「IoT」「ビッグデータ」「第3世代のAI」といったキーワードの元，躍進している技術やサービスについて解説する。政策や法律に新たな動きがあった知的財産権の分野も盛り込んだ内容とした。【目次】メディアの歴史と知的財産権制度の変遷／他

本書では，これから統計解析，機械学習，信号処理を学ぶ学生が，IoTによる膨大なデータの解析や処理の前提となる知識やデータ処理の基本を身につけられる。スマホの加速度センサを例に，取得したデータ処理の方法も体験できる。

「メディア学」ってどんな学問でしょう？はじめて学ぶにあたって知っておきたいキーワードを見開き2頁でコンパクトに解説。身近なものから一歩踏み込んだものまで，幅広いトピックに触れ，自身の興味の方向性を探るのにも最適。

既刊『スティーブ・ジョブズ』の第4巻。スティーブ・ジョブズがアップル・コンピュータ社から追放された後、ネクスト（NeXT）社の設立から、ピクサー（Pixar）社の買収、そして同社のウォルト・ディズニーへの売却に至るまでを、当時の人間関係や技術的背景・変遷も含め詳細に記述。