理工学図書新刊ニュース　9月号

イメージのつきにくい神経心理学を，動画やWebプログラム等のデジタル付録を参照して能動的に学べる入門書。〔内容〕神経心理学の基礎／脳の損傷に伴う高次脳機能障害／発達の過程で生じる高次脳機能障害／高次脳機能障害の評価と支援

『発酵の技法』の著者Sandor Ellix Katzによるエッセイ。発酵料理の専門家という枠を超え、発酵カルチャーのリーダーとして知られる著者が、天然の素材を微生物が変容させて別ものに作り替えてしまう「発酵」という過程を、政治、宗教、社会、文化、そして個人のアイデンティティ、セクシュアリティ、思考に適用することを考える。

子どもとその保護者のための、作って遊べる動くダンボール工作レシピ集。動くおもちゃが多く、作品を使って楽しめる。作例は、マジックハンド、潜望鏡、ブーメラン、足踏みロケット発射装置、ゴムで飛ばすヘリコプター、パドルで進むボート、ソーラークッカー、風力トラクター、ストローで吹くサッカーゲーム、ピタゴラマシン、的当てゲーム、など。

n次元ユークリッド空間上の凸解析と非線形最適化（非線形計画）の数理について、基本事項からわかりやすく解説する本。多くの命題や定理に詳しい証明を付し、幅広い応用が見られるエークランドの定理や不動点定理にも触れ、理工学系、経済系の学生・研究者に読みやすい構成としている。巻末に、微分積分と線形代数の内容をまとめた付録を掲載。

ヒルベルト空間の基礎事項から始め、ヒルベルト空間上の線型作用素論に関する諸理論を、作用素論の全貌が見渡せるようわかりやすく解説した本。近年注目されている量子情報理論は、量子力学を基礎としているが、その量子力学の数学的定式化は、ヒルベルト空間論や線型作用素論に基づく。また、再生核ヒルベルト空間の理論は本書の内容が基礎となる。

量子確率論（非可換確率論、代数的確率論）を基本事項からわかりやすく解説。確率論の中心的概念である「独立性」と付随する「中心極限定理」の多様性を主テーマとし、グラフの漸近的スペクトル解析にも触れる。現在は、量子情報理論への応用や、非可換数学（量子群、非可換幾何など）とともに新しい数学的構造を見出すべく適用の場が広がっている。

空間データの新たな解析法「エシェロン解析」について，基礎となる考え方やアルゴリズム，さらにエシェロンの構造を利用した応用例として，圏による地域の分類，リモートセンシングデータの分析，ホットスポットの検出を解説する。そしてエシェロン解析のためのソフトウェアも紹介する。【目次】エシェロン解析による空間データの分類／他

人々が日常的に使える数学書として江戸時代に大ベストセラーとなった『塵劫記』の誕生からそのユニークな内容までを読みとく本邦初の百科。和算研究第一人者が多数の図版を盛り込みながら見開き完結で分かりやすく解説。小中高の数学教育(算額コンクール:日本数学検定協会/和算を普及する会後援)でも注目されている和算への入門書としても最適。

重力波天文学の開闢とともに注目されるようになった，数値相対論に関する待望の和書。その理論的枠組みから応用例までを解説する。まず数値相対論の基礎となる一般相対論の方程式，その解法，および一般相対論的運動方程式を解説する。具体的な応用例として，中性子星同士の合体およびブラックホールと中性子星の合体に関する詳細を紹介する。

本書は工学分野を俯瞰する立場で数学的内容を精査し，光学における数学や物理的意味と数学のもつ性質との橋渡しを行うことで，横断的理解を目指した書籍である。数学のレベルは，高校および大学の学部生程度を想定している。

プランクがベルリン大学で1905～1906 年の冬の学期に行った講義録。統一的な熱力学の基盤の上に熱放射の全理論の研究を持ち込むことを意図して書かれ、当時の物理学理論を紡ぎ合わせてエネルギーの放射式を導き出すプランクの思考過程を読み解くことができる教科書。

様々な地形とそれが形成・変化するプロセスを丁寧かつ網羅的に解説。地学・地理学・防災対策等の理解に好適。〔内容〕変動地形／火山地形／風化／カルスト地形／斜面地形／河川プロセス・地形／海岸地形／乾燥地形／氷河地形／周氷河地形

弘法大師が杖で地面をついたところ水が湧き出た等々の伝説をもつ弘法水について，民俗学，地理学からだけでなく，自然科学的視点からも解説した本邦初のユニークな成書。前半の総説編では，弘法水の歴史・分布，湧水・井戸水の湧出量や水質分析などによる水文科学的特徴を解説。データブックとしての資料性も十分なレファレンス。

発電、送配電、屋内配線設備までの基礎知識を、イラストや模式図などで完全図解した入門書。2017年の発行から好評を博しており、技術の進展や電力行政の変化などの新しい情報をを盛り込ん改訂する。関連業界の新入社員教育や技術研修のテキストとして、電気関連の資格受験を目指す方の入門参考書として、専門学校や大学での学習書として最適。

信号処理の基礎を習得できる，初学者にもやさしい教科書。信号処理の基礎となるアナログ信号とディジタル信号の違いから始まり，フーリエ変換の原理，離散時間信号における処理まで広く学べる。原理に注目している点が本書の大きな特長で，具体的に生じる現象や信号の処理に関して根本的な理解を促す。図表，例題と解答，コラム等も豊富に掲載。

OPアンプ（オペアンプ）は電子回路において基本的な素子のひとつ。本書はOPアンプ回路の設計について、基本となる使い方から実用のための本格的なテクニック、ノウハウまで総合的に解説するもの。フリーのCADツールであるLTspiceを用いることで、視覚的に実際の回路動作を見ながらOPアンプ回路を学ぶことができるようにまとめた。

「光るカッコイイものを作ってみたい」人に向けて、ギャル電の電子工作レシピを紹介。取り組みやすいように、材料や道具の紹介から、はんだ付け、Arduinoを使ったレシピまで徐々にレベルを上げつつ解説。電子工作を始めたい人はもちろん、手芸作品を発展させたい、アクセサリーやグッズ・衣装に光る要素をプラスしたいという人にもおすすめ。

電磁界の性質やアンテナの基礎知識，およびメタマテリアルの構造や特性を理解し，初心者でもメタマテリアルアンテナの設計ができる内容となっている。また，メタサーフェスについては別途章を設け，その特徴と応用例を紹介。

物理層技術の理論や思想を解説した後，ディジタル移動通信の物理層技術の中でもその中心的な問題であるマルチパスフェージングによるディジタル信号の伝送誤りについて，発生のメカニズムとビット誤り率の推定に焦点を当てて解説。

音声の教科書として利用できるように前半では，音声研究の歴史，基礎的な音声分析アルゴリズム，音声生成メカニズムとモデルなどについて詳細に述べた。また後半では，応用研究として音声合成，雑音除去について説明した。

本書では，音響学における新分野（熱音響，アコースティック・イメージング，音バリアフリー，音のデザイン，音響教育，生物音響）を紹介することで，音響学の諸分野を俯瞰する。音響学の広がりや多様性を感じることのできる一冊。

地球の物理量（温度・周波数など）を宇宙から計測し、地球の状態を把握する技術について、初学者向けに体系立ててまとめたテキスト。人工衛星によるデータの取得や原理、データの処理法について解説。JAXAに所属し長年にわたり宇宙の研究に携わった著者ならではの視点でまとめた。

デジタル信号をより高速化し伝送距離をより伸ばすための回路実装設計技術シグナルインテグリティのバイブルの大幅増補改訂版．益々ニーズの高まる高速信号処理実現のための電子回路実装技術を，数式の意味するところや活用に重点をおきながら懇切丁寧に解説．高速デジタル伝送回路設計者／ボードの伝送線路を担当するLSI

超音波に関するAI技術をまとめた書籍。基礎編と応用編の2編構成。基礎編では超音波画像へのAIの取り込みに関して、基礎的な部分から最新の事例までを網羅し、超音波画像AIのいまを俯瞰できるようにしている。応用編は、AMED事業の内容紹介を中心に、国内外での実施例の紹介も含めてまとめた。現時点での最新の情報と今後の発展がわかる。

Pythonを用いた数理最適化の入門書。さまざまな課題をPythonを使って実際に解いてみることで、数理モデルを実務で使いこなす力を身につける。まず、簡単な数学で数理最適化の考え方を説明。その後、実際に起こりうる課題を数理最適化によって解説。ビジネスでぶつかる課題などで、手順や注意点、効率のよい方法などを学ぶことができる。

機械学習を用いた本番システムの構築は、前処理やモデルの学習、デプロイ等のステップが必要だが、手動での実行が多くエラーの原因となる。そこで本書では、TensorFlowのエコシステムを使用した機械学習パイプラインの構築方法について学ぶ。各ステップを自動化することでレガシーなシステム保守から解放され、新しいモデルの開発に集中できる。

時系列データの切り口から書かれたデータ分析の入門書。時系列データを通して学んでいくアプローチで、データのクリーニング、プロットの方法、入出力など基本的なトピックを一通りカバーした後、様々な事例を取り上げ、統計的手法と機械学習手法の両方を時系列データに適用し、また人気のオープンソースツールも積極的に取り入れた手法を紹介する。

Google以外でSREを実践する各社の取り組みなどをまとめた事例集。Microsoft、Dropbox、Google、SoundCloud、Spotify、Amazon、Facebook、Fastly、LinkedIn、Netflix、Lyftなどのエンジニア、ディレクタ、SREが、SREの取り組みや課題について詳述。

本書では、SIMD命令、特にIntel社CPUのAVX-512命令についてインストラクションの解説から、簡単なサンプルプログラム、そして1次元や2次元のサンプルプログラムまで示し、AVX-512命令の理解を深める。

COVID-19パンデミック――肺炎診断補助AIは如何にして迅速に開発できたのか。本書では、AIの歴史を繙き、国立情報学研究所の医療ビッグデータ研究センターが構築した研究プラットフォームについて解説。更には現在までに生み出された成果や、医療AIが抱える諸問題、その解決へ向けた研究動向について紹介します。

工業利用されているダイヤモンドは、ほとんどが合成ダイヤモンドであり、その中でも最も代表的なものが「CVDダイヤモンド」。本書はその性質の特性から膜の生成、切削等への利用を扱っており、機械加工の技術者に求められる知識がつまっている。雑誌【機械と工具】の連載「加工に活かすCVDダイヤモンドの合成から応用まで」をもとに書籍化。

回転機械の実機技術者に向けて，ロータを含む機械振動分野全般における力学に視点を置き，機械振動の各テーマについて現象の基礎的な理解の確認ができるような演習問題を精選し，丁寧に解説した。振動診断力のレベルアップを目指す。

人気シリーズ「きちんと知りたい！」の一冊。電気自動車を走らせるために必要なモーター、バッテリー（電池）、パワーエレクトロニクスなどのパワーユニットに関する技術と問題点を紹介。「なぜそうなるのか？　どうしてそうなったのか？」という仕組みの部分を中心に、図・イラストで段階的に解説する。

製図に特化した試験・「機械製図CAD作業技能検定試験（3･2･1級）」の対策本。各級に共通した実技試験対策の解説を丁寧に行い、級ごとによる難易度の違いも紹介、その上で、3級から2級、１級へのステップアップを指導し、受験者に役に立つものとした。過去の出題例から取り上げた実技課題の解読例も紹介。

持続可能な社会の機運が高まるなか、自動車産業では電気自動車に注目が集まっている。2016年に発行された書籍を元に、開発が進む車載電池や自動車の新しい位置づけであるCASEなど、最新の状況が分かる改訂版。

本書は、受験者の苦手とする施工経験記述をあらゆる工事例で収録し、復習・整理することで記述のポイントをモノにできる定番の受験参考書である。試験の出題頻度・傾向をおさえ、関係法令も抜粋するなど、集中して学習できる。今回は、新試験制度としての予想問題を一部追加し、巻末には最新試験を5年分収録した。

建築基準法を中心に各種の関係法規がわかりやすく学べるテキスト。一般的な法律の種類や構成，基本用語の意味と位置づけ，解釈の仕方をていねいに解説した。理解の助けとなるかこみ記事を多数設けた。巻末に，建築基準法令の改正の経緯を，そのきっかけとなったできごとや背景とともに年表で示した。2021年7月1日時点の放棄改正に対応。

SDGsに沿った国際貢献・国際開発は，Withコロナ時代にどう展開していくべきか，フィールドでの実例を交えて解説。〔内容〕SCM／自然災害／統合水資源管理／公衆衛生／節水型農業／次世代育成／CSO／性役割態度／ICT

第1種・第2種作業環境測定士試験の第2種5回分、第1種2回分の試験問題を、試験科目ごとに分類・整理し、頻出・重要問題をていねいに解説した問題集。本国家試験では毎年繰り返して出題される内容が多いため、頻出問題を確実に得点できるように、問題に対する解説は選択肢ごとに詳細に行いった。この1冊で試験傾向の把握と対策は万全。