第10回 磯﨑 憲一郎先生
小説とは何か?
小説とは、文字で書かれた伝達手段でありながら新聞記事や論文とは異なる、また、一般に理解されているような物語(ストーリー)でも、作者が込めたメッセージや教訓でもない。「文学作品は難解なもの、高尚なもの」といった権威主義的な小説観を取り払い、実作者=日々小説を書いている一人の人間の視点から、「そもそも小説とは、いったい何なのか?」という問題を、小説の起源から現代文学にまで触れつつ、考えてみたい。
日 時:2020年1月29日(水) 18:30~20:30
会 場:日比谷図書文化館 大ホール
磯﨑 憲一郎氏(小説家、東京工業大学リベラルアーツ研究教育院教授)
1965年千葉県生まれ。2007年に「肝心の子供」で第44回文藝賞、2009年に「終の住処」で第141回芥川賞、2011年に「赤の他人の瓜二つ」で第21回東急文化村ドゥマゴ文学賞、2013年に「往古来今」で第41回泉鏡花文学賞を受賞。他の著作に「眼と太陽」「世紀の発見」等がある。1988年から2015年まで三井物産株式会社勤務。現在、文藝賞選考委員。