知を鐙す11のまなび

第1回 長谷川 眞理子先生

ヒトはなぜ文明を築けるのか? ヒトの進化史とその未来

「これは何だろう?」という好奇心は、ヒト以外の動物にも広く認められる。世界を知り、安全に生きていくためには、好奇心は必須であるに違いない。しかし、ヒトはそこにとどまらず、因果関係を推論し、自分自身の行為が周囲を変える原因になるということを知っている。また、互いの思いや考えを共有することができる。この能力が、人類に大規模な協力を進化させ、文明を可能にしてきた。その道筋について、そして文明の将来について考えてみたい。

日 時:2019年4月25日(木) 18:30~20:00
会 場:日比谷図書文化館 大ホール

長谷川 眞理子先生(総合研究大学院大学長)
専門は自然人類学、行動生態学、進化生物学。人間の行動や心理を生物進化の視点から研究する世界的に著名な研究者であると同時に、専門性を生かした社会課題の解決にも積極的に取り組んでいる。現総合研究大学院大学長。主な著書は『クジャクの雄はなぜ美しい?』、『生き物をめぐる4つの「なぜ」』他、多数。

【長谷川眞理子先生 影響を受けた「私の3冊」】

利己的な遺伝子:40周年記念版

利己的な遺伝子: 40周年記念版

リチャード・ドーキンス 著
日高 敏隆 訳
紀伊國屋書店出版部

[理由]
1979年、チンパンジーの調査のためにアフリカに行く直前、アメリカの著名な心理学者のデイビッド・プレマック先生から贈っていただき、「目からうろこ」の経験をした。この本を読んだことがきっかけとなり、古くさい考えをすべて捨て去って進化生物学、行動生態学への道を選んだ。その後、本書に書かれたアイデアの中には、行動生態学の発展とともに、古くなったものもあるが、依然として、行動の進化を考える上での決定版指南書である。

品切

表象は感染する: 文化への自然主義的アプローチ

表象は感染する: 文化への自然主義的アプローチ

ダン・スペルベル、菅野 盾樹 著
新曜社

[理由]
自然人類学出身の私は、長らく、ヒトの持つ文化というものを生物学的にどう考えたらよいのか、納得のいく考えを持たずにいた。1997年、英国ケンブリッジの書店で手に入れた本書を、帰国する飛行機の中で読み、これまた「目からうろこ」の経験をした。文化とは、社会の構成員間で共有されている表象の集まりであり、表象は、個人的表象が言語その他で表現されて公的表象となり、それが他の人間に伝染して、その人の個人的表象となる、というプロセスが繰り返されることなのだ、という理解は、その後の私の文化概念の根幹となった。

ニッチ構築: 忘れられていた進化過程

ニッチ構築: 忘れられていた進化過程

F.John Odling‐Smee、Kevin N.Laland、Marcus W.Feldman、佐倉 統、山下 篤子、徳永 幸彦 著
共立出版

[理由]
生物は環境からの圧力にしたがって自然淘汰を受け、世代を超えて変化する。しかし、生物は、自分がそこに住んでいることで環境を改変もしている。その影響は次の世代に持ち越され、進化の重要な要素となり得る。つまり、生物は、自然界のひとすみのニッチに座を占めているだけではなく、自らニッチを構築しているのだ。本書の考えから私は、ヒトの文化を壮大なニッチ構築としてとらえる見方を学んだ。

【長谷川眞理子先生 著書】

世界は美しくて不思議に満ちている: 「共感」から考えるヒトの進化

リーダーの教養書: 11名の選者による<保存版>ブックガイド (NewsPicks Book)

きずなと思いやりが日本をダメにする: 最新進化学が解き明かす「心と社会」

人間の由来: 下 (講談社学術文庫, 2371)

人間の由来: 上 (講談社学術文庫, 2370)

生き物のふえかた大研究: 命をつないでいくしくみと知恵 (楽しい調べ学習シリーズ)

ダーウィン『種の起源』: 命はつながっている (NHKテレビテキスト)

思春期学

思春期学

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東京大学出版会

科学は未来をひらく (ちくまプリマー新書, 228)

知のトップランナー149人の美しいセオリー

赤の女王: 性とヒトの進化 (ハヤカワ文庫 NF, 418)

21世紀の宗教研究: 脳科学・進化生物学と宗教学の接点

ヒトは病気とともに進化した (シリーズ認知と文化, 9)

エコロジーをデザインする: エコ・フィロソフィの挑戦

ダーウィンと現代: 「生命の樹」の発見

貢献する心: ヒトはなぜ助け合うのか

いま考える高齢化社会のヒューマンケア

数覚とは何か?: 心が数を創り、操る仕組み

ダーウィン: 進化のなぞを解き明かした科学者 (小学館版学習まんが人物館)

進化の大研究: 恐竜は鳥に近い!

共に生きる知恵: 微生物・人間・情報ネットそれぞれの世界で

動物の生存戦略: 行動から探る生き物の不思議 (放送大学叢書)

ヒトの心はどこから生まれるのか: 生物学からみる心の進化 (ウェッジ選書)

ダーウィンの『種の起源』 (名著誕生)

生態と環境 (シリーズ21世紀の動物科学)

ヒトはなぜ病気になるのか (ウェッジ選書)

ダーウィンの足跡を訪ねて (集英社新書)

霊長類のこころ: 適応戦略としての認知発達と進化

クジャクの雄はなぜ美しい?, 増補改訂版

社会生物学の勝利: 批判者たちはどこで誤ったか

生き物をめぐる4つの「なぜ」 (集英社新書)

恋人選びの心: 性淘汰と人間性の進化: 2

ヒト、この不思議な生き物はどこから来たのか (ウェッジ選書)

病気はなぜ、あるのか: 進化医学による新しい理解

虫を愛し、虫に愛された人: 理論生物学者W.ハミルトン人と思索

進化と人間行動

進化と人間行動

東京大学出版会

科学の目科学のこころ (岩波新書, 新赤版 623)

進化とはなんだろうか (岩波ジュニア新書, 323)

オスとメス=性の不思議 (講談社現代新書)

【行動生態学、進化生物学関連書籍】

カラー図解アメリカ版大学生物学の教科書

進化

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メディカル・サイエンス・インターナショナル

眠れなくなる進化論の話

進化学事典

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共立出版

カラー図解進化の教科書

カラー図解進化の教科書

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いじめは生存戦略だった!?

入門!進化生物学

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中央公論新社

生命進化のシステムバイオロジー

遺伝子・多様性・循環の科学

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京都大学学術出版会

進化生態学入門

生き物の進化ゲーム

シリーズ現代の生態学

脚・ひれ・翼はなぜ進化したのか

進化の法則は北極のサメが知っていた

デイビス・クレブス・ウェスト行動生態学

動物の生態

動物生態大図鑑

動物行動学入門

絵でわかる動物の行動と心理

おとなのための動物行動学入門

先生、イソギンチャクが腹痛を起こしています!

先生、オサムシが研究室を掃除しています!

先生、カエルが脱皮してその皮を食べています!

先生、キジがヤギに縄張り宣言しています!

先生、モモンガの風呂に入ってください!

先生、ワラジムシが取っ組みあいのケンカをしています!

先生、犬にサンショウウオの捜索を頼むのですか!

先生、大型野獣がキャンパスに侵入しました!

先生、洞窟でコウモリとアナグマが同居しています!

先生、脳のなかで自然が叫んでいます!

図説生物の行動百科

「つながり」の進化生物学

行動生物学辞典

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東京化学同人

魚類行動生態学入門

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東海大学出版会

鳥の行動生態学

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京都大学学術出版会