校正者について | 英文校正サービス
英文校正者インタビュー
D氏 【専門】コンピュータサイエンス、プログラミング
2005年に英語圏最古の技術系大学である、レンセラー工科大学(Rensselaer Polytechnic Institute:ニューヨーク州トロイ)にてコンピュータサイエンスの分野で博士号を取得。
ソフトウェアのエンジニア、設計者としても活躍しており、2006年から現在まではコンピュータサイエンス分野で教授を務める。専門は、コンピュータサイエンス、プログラミング、ソフトウェアなどである。また米国電子電気学会(IEE)のメンバーでもある。
- 校正作業をすること自体が、スキルや専門性の維持に役立っています。特に専門領域の最先端の研究論文を添削することは、私にとっても非常に有益な作業であると感じています。また教授として指導する立場にありますが、研究や実験に日々勤しむ学生から教わることも少なくありません。その他にも、日頃から米国電子電気学会(IEE)のオンラインジャーナルや書籍(特にコンピュータサイエンス分野)に目を通し、最新の動向をチェックするよう努めています。
- 基本的に二つの作業を徹底しています。まず原稿を速読し、執筆者の癖や表現レベルを掴むと同時に、論文全体の構造や題目を理解します。それらを理解した上で、本格的な校正作業に着手し、気になる点や疑問点に適宜コメントを付けていきます。英語を母語としない執筆者の場合、例えば語順や語法などにおいて独特の癖のようなものが見受けられることがありますので、私はそういった癖を見つけるとリマーク(※校正原稿内で使用される記号)を用い、どのようにその癖を直したらよいか、改善方法を示すようにしています。そして論文全体でどれだけ同じようなミスを繰り返しているかを明確にすることが、なにより執筆者のためになると考えています。
- 私は、非英語圏出身の執筆者と英語を母語とする校正者との関係は双方的なものだと思います。校正者は英文添削技術を磨きながら論文に書かれている世界を学ぶ一方で、執筆者は校正者から英語ライティングのコツを習得しつつ、自身のライティング力を向上させます。そういう意味で、執筆者と校正者というのは互いに高め合うことのできる強い関係性があるというのが私の考えです。
- コンピュータサイエンスの分野でいえば、“the Software: Practice and Experience(SPE)”は非常に素晴らしいジャーナルではないでしょうか。また、米国電子電気学会の一員として、学会が出版しているオンラインジャーナルや書籍もおすすめです。
- 『論文を書く』ということは容易なことではありません。しかしライティングスキルを向上させると、研究成果を明確且つ簡潔に示すことができるようになり、論文の質も自然と高まります。その結果、多くの人の目に止まる、読みやすい論文に仕上がりますので、常日頃から英語での執筆に慣れ親しむことが大切だと思います。