校正者について | 英文校正サービス
英文校正者インタビュー
T氏 【専門】心理学、社会学、言語学
アメリカ出身。教育心理学で博士号を取得。専門は心理学、社会学、言語学。
大学院修了後、自身で人材開発と出版コンサルタントの会社を設立。現在まで代表を務めている。校正経験は20年以上になる。
- 最初に、アブストラクトと結論を読み比べて、内容の一貫性をチェックします。そして投稿先の読者層を意識した『効果的な語法』や『最適な用語』が使用されているかどうかを見極めます。非英語圏出身の執筆者からの依頼時には、とくに「読みやすさ」ということに焦点を当てて校閲するよう努めています。
- まったくもって非現実的な考えではあるのですが、執筆者の隣に座って話をしながら、英文校正の作業ができれば最高ですね。そうすれば彼らの意図するところを完璧に表現する方法を一緒に編み出すことができるのに、とよく考えます。もちろん、そんなことは物理的に不可能ですので、それにより近い成果を出すために、丸善雄松堂の『論文一本に校正者2名が担当』という体制が役立っているのではと思います。
- 特定の雑誌名を挙げるのは控えたいと思います。ただひとつ言えるのは、論文のテーマというのは研究者の皆さんが考える以上に重要であるということです。ジャーナル側は、その分野で注目を集めているトピックを常に意識しており、掲載予定の論文がそれにどれだけ関連しているかを気にします。また、学会の主催者に次回の会議で取り上げられるテーマを事前に確認することもあるようです。まずは、どういったテーマが現在人気なのか調査してみてはいかがでしょうか。
- 幅広い読者層に訴えかけるものが多いように感じます。有名ジャーナルに掲載されるのは大発見といえるような研究が多いのですが、そういった発見をもたらした研究方法や設備機器は、他分野の研究にも広く活用できるというのも掲載される理由のひとつだと思います。
- 皆さんご存知の通り、日常で使われる英語と論文用の英語は大きく異なります。なかなか校正者に自分の意図しているところが伝わらないという研究者の方は、一度、校正ではなく翻訳で依頼してみるのもひとつの手です。ご自身で翻訳したものと、プロの翻訳家が翻訳したものを比較してみると、予想以上に多くのことを学べると思います。あとはそれを参考に英語のライティングスキルを少しずつ高めていけば、近い将来、校正だけで事足りるようになるはずです。