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学術論文をジャーナルに再投稿する

編集部によるリジェクト

査読付きジャーナルに投稿した論文が、修正なしに一度で受理されて掲載されることはまれです。投稿した論文は、カバーレターや要旨(アブストラクト/Abstract)などに編集者が目を通し、その論文の新規性や重要度、ジャーナルのテーマとの親和性などに鑑みて、査読に回すに値するかを検討します。

(→ 参考「論文のカバーレターの書き方」「論文要旨の書き方:書式、単語数、記述のポイントなどについて」

ジャーナルにもよりますが、この時点でリジェクトされる論文も相当数に上り、これは査読によるリジェクトではないという意味合いで、「Desk Reject」、「Administrative Reject」、「Reject without Reviews」などと呼ばれます。

ここでのリジェクトの理由が研究の結果と論文の内容ではなく論文やカバーレターの言語の質やスタイルのミスなどであった場合は、まずはそうしたフォーマット調整や言語の校正などを行う必要があります。特に言語の質の場合は、再投稿先のジャーナルが同じであるか否かにかかわらず改めなければなりません。このような、研究成果の良し悪しとは直接関係のないことがらについては、英文校正やフォーマット調整などをサポートしてくれる翻訳校正会社などに外注するのも、研究とそのアウトプットに注力するための一つの選択肢でしょう。


編集部からの決定通知

編集部による最初の選考を無事に通過した論文は、数週間から数カ月で査読のプロセスを終え、コメント付きで採択についての決定通知が送られてきます。通知される結果のパターンは大まかにいって4つです。

冒頭で述べたように、最終的にジャーナルに掲載される論文でも一発合格、一発アクセプトというのはまれで、書き方の修正などの些少な修正(Minor Revision)から、追加実験を含む大幅な修正(Major Revision)まで、査読者・ジャーナルからのリクエストを受けて修正を加えた論文が受理されるケースがほとんどといわれます。ただし、修正が必要とされた原稿も修正すれば必ず受理されるものではありません。また、求められた修正を加えた上で本当に同じジャーナルに再度投稿したいのかということについても(共同研究者全員の意思を)確認する必要があるでしょう。追加実験にかかる費用や時間、再提出の期限などを考慮すれば、投稿先を変更した方が良い場合があるかもしれません。


再投稿、ジャーナル編集部とのコミュニケーション

論文を再提出する際には、査読コメントへの回答の手紙(レスポンスレター/rebuttal letter)を添える必要があります。しかし、編集者とコミュニケーションを取る方法は回答レターだけではありません。例えば、決定通知で伝えられた再提出期限について延長の依頼をする、査読者からの特定の要求コメントに応じられないこととその理由をあらかじめ伝えておく等、適宜メールなどで連絡を入れることも編集者の心証を良くする要因となるでしょう。また、ジャーナルにもよりますが、リジェクトを伝えられた場合でも、必ずしも掲載の可能性がゼロというわけではありません。複数いる査読者の全員が掲載について猛烈に反対している場合や、研究の質そのものについての評価がない場合には脈がないかもしれませんが、ポジティブな判断を下している査読者がいるような場合には、編集者へと連絡を取り、査読で指摘された問題点を改善できる旨を伝え、再提出を許可してもらうといったケースも考えられます。

掲載される保証がまったくないまま、追加実験を行い論文自体に改訂を加えるのが良いのか、もう少しハードルの低いジャーナルに鞍替えするのか、もしくは論文をお蔵入りさせるのか、最終的に決めるのは著者自身ですが、提出先のジャーナルを変更する場合でも査読者のコメントを参考に原稿を改訂しておいて損はないでしょう。

(参考:論文の査読コメントに対する回答レターの書き方


修正・改訂

査読者が要求する修正・変更がかなりの数に上る場合があります。そして、複数の査読者が違う言葉で同じ要求をしている場合も考えられます。ですから、修正点が多い場合には、それらをチェックリスト化して改訂するなど自分なりにやりやすい方法で改訂作業を進めるのがよいでしょう。査読者からの修正のリクエストの中で、論文に加えられない、もしくは加えるのが適当でないと思われる修正については、回答レターの中でその理由について説明します。あくまで、査読コメントの一つ一つに対して何らかの回答を行う必要があります。査読に対応した修正や回答レターについて、語学面で不安のある場合は外部の校正サービスを利用するなどして語学的に精度の高いものを再提出しましょう。

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某私立大学 H.S.様